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エッセー✒️「マイケル・ロスに沈んだ日々」

新しい映画を観てきました。
『Michael/マイケル』

音響のいい映画館じゃなくて 
普通の映画館。
こんなオマケ貰っただけで 喜ぶジャスミン。
      ↓


私は
2009年の6月の あの日のことを
よおく覚えている。

あの日、
私は友人と 西日暮里の繊維街に
カーテンの生地を買いに行って来た。
とっても暑い日だった。

夕方、その友人から電話が来た。
「ね、もう知ってる?
 マイケル・ジャクソンが亡くなったんだって」
「あら、そうなの」
という具合に 私はあっさり電話を切った。
ふ~ん・・という、どこか遠い感じだった。

翌日、スーパーで買い物をしていたら
「アイル・ビー・ゼア」が流れて来た。

そうしたら、どうしたんだろう、ふいに
ぽろぽろ、勝手に涙がこぼれて来た。
それでもう、止まらないの。

魚のパックかなんか 手に持ったまま
うつむいて泣いてるの。
結局なんにも買わずに 帰って来てしまった。

私はこんなに
マイケルが好きだったのかしら、と思った。
ただ彼には ビッグスターでありながら
どこか、誰にも理解されない 孤独な影を
感じていたように思う。
それから毎日、悲しくて悲しくて・・・

で、そのとき
ずいぶん昔のことを思い出していた。

滝野川の友人の家に遊びに行き 
帰りに 彼女の車で送ってもらう途中

普通の住宅街の 狭い路地に 
車が何台も止まっていて 外国人やら
近所の野次馬みたいな人たちが何人もいた。

何かしらねなんて 通り過ぎたけど
次の日の新聞に マイケルが
滝野川の児童養護施設を訪ねたと出ていた。

あんなところに養護施設があったのね
あの 古い小さな建物・・
マイケルって、本当にそういう人だったのね。

亡くなった年の 9月だったかな
デパートで「マイケルの追悼展」みたいのがあって
私はサインの入った 
赤い革のケータイのストラップを買って

それから
寄せ書きにメッセージを書いて来た。
寄せ書きだって!・・・まさか自分が 
こういうことをするなんて思わなかった。

映画『THIS IS IT』には7回観に行き 
DVDは 擦り切れて向こう側が見えるくらい観て
赤いストラップの付いた ケータイの待ち受け曲は 
スマホに変わるまでずっと
「アイル・ビー・ゼア」だった。

驚いたことに 
マイケル・ロスから抜け出すのに 2年かかったのよ。

で、映画も良かった。
マイケル役の ジャファー・ジャクソンという人
いくら彼の甥で 血筋が繋がっているとはいえ
あんなに素晴らしく演じられるなんて凄い。
嗚呼、もう一度観に行きたいな。

でも、実は上映中はほとんど 泣いてたのよ・・
「ビリー・ジーン」「ビート・イット」が流れるたび
あの悲しかった頃を思い出して・・・
隣りのおじさんが
首を捻じ曲げて何度もこっちを見た。
もうこの頃は
涙もろくて まるで壊れた水道の蛇口だわ。

ただ、しっかり観ていたところは
あのブランカという マイケルの弁護士やった人
この人見たことある、誰だっけ・・と
頭の隅でずっと考えながら観て

最後の長いクレジットタイトルの中から
遂に彼の名前を発見した。
『セッション』の
マイルズ・テラーさんだったのね。

あれから12年だって・・
立派になって ジャスミンは嬉しい。

おしまい



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