見出し画像

5/2 ニュースなスペイン語 Chistorra(2):チストーラ(2)

2025年10月8日にも同じタイトルの記事を発出したが、今回はその第2弾。

昨日に引き続き、「コルド事件(el caso Koldo)」の裁判の続報。

コルド事件の概要については昨日の小欄に書いたので、ここでは割愛するが、ひとことで言うと、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相率いる現スペイン政権での最大の汚職疑惑。

今日の記事では、事件のコードネームにもなっている、いわば、中心人物であるコルド・ガルシア(Koldo García(写真))の法廷での証言が報じられている。

かなり長い記事なので、今回はいくつかのトピックをかいつまんで紹介しておこう。

まず、表題の「チストーラ」だが、本来は下の写真に見るように、やや細めのチョリソ(chorizo)の一種を意味するのだが・・・。

冒頭のバックナンバーでも触れたが、この語は500ユーロ札(billete de 500 euros)(約9万1000円)を指す用語として、コルド事件の関係者らの間で使われていた隠語だったようだ。

今回の証言の中でもコルド自身がこの語を使って、事件の詳細について、もろもろの発言を行った場面もあった。

まず、コルドは「チストーラ」が500ユーロ札を指していたことを認めた上で、しかし、実際は、コルドが業務上の付き合いのあったスペイン社会労働党(PSOE)や国家警衛隊(Guadia Civil)から「建て替えていた費用を払い戻された(reembolso de gastos adelantados)」だけの「やましいことのないチストーラ(chistorra de verdad)」だったと述べ、「合法的(legal)」であったとした。

さらに、2025年10月8日の小欄でも触れたが、オレンジ色の200ユーロ札(約3万6000円)に対しては「ソル(sol;「太陽」の意)」、緑色の100ユーロ札(約1万8000円)に対しては「レチューガ(lechuga;「レタス」の意)」という隠語を使っていたとされた点については、次のように、きっぱり否定した。

「ソル」がペルーの通貨、「レチューガ」がレタスという意味でないとしたら、私はこれらの語の他の意味を知らない(No sé lo que significan. A no ser que soles sea la moneda de Perú y que lechugas signifiquen lechugas)。

昨日の小欄で取り上げたビクトル・デ・アルダマ(Víctor de Aldama)については、「私の友人だと見なしていた。文字通り全てを彼に話していた(Le consideraba mi amigo. Hablaba con él de absolutamente todo)」とした。

しかし、検察がアルダマから毎月1万ユーロ(約183万円)を受け取っていたかと質問すると(A preguntas del fiscal sobre si había recibido pagos recurrentes del presunto conseguidor de la trama)、「いいえ(No)」とだけ答えた(⇨①)。

そして、コルドは、アルダマがスペイン社会労働党に送金していたというのは正しくない(no es cierto que el empresario hubiera hecho ningún pago al PSOE)とし(⇨②)、「この政党は誰からもどんな金も受け取らないから(el partido no recoge dinero de nadie)」と持論を展開した。

コルド・ガルシアもアルダマも、まぁ、同じ穴のムジナなので、どちらの証言が正しいのかは、素人には、判断できないが、少なくとも、昨日のアルダマの証言と①/②は食い違う。

そして、コルドは、今回も、相変わらず、元上司であるホセ・ルイス・アバロス(José Luis Ábalos)に対する忠誠心(lealtad)を忘れなかった。

私は生涯に渡って、一生、アバロスさんに感謝することだろう(Estaré toda mi vida, toda, agradecido al señor Ábalos)ーー

「今回も」と書いたのは、コルドがアバロスに対して、歯の浮く様なことばで忠誠心をさく裂させたのは今回が初めてではないから(2024年12月21日の小欄を参照)。

アバロスについて、「とても働いていた(trabajaba mucho)」とし、「素晴らしいことも、くだらないことも、やらねばならないことは、何でもやった。そして、いつも、何かの心配事をしていた(las cosas mundas(sic)o pequeñas que había que hacer para que se preocupara de lo que se tenía que preocupar)」と述べた。

アバロスは、自分の私腹をいかに肥やすかに腐心していたのだろうけど、しかし、方々で、遮二無二、ちょこまかと動いていたことは確かみたいだ。

コルドの証言には、まだ、いくつか興味深いものがあるので、時機を見て、取り上げよう。

それにしても・・・と思う。

金も、名誉も、信用も、地位も、全てを失っても、なお、自分のかつての上司に感謝を忘れず、ひとことも悪く言わないコルドに、昭和生まれのオジサンは、何となく、好感を覚えてしまう。

少なくとも、かつての仲間たちを平気で切って、有ること、無いことをペラペラとしゃべりまくるアルダマよりは、信頼できる気もする・・・。

写真はコルド・ガルシア。2年前のメディアに登場した風貌(下の写真)とはずいぶん違う。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20260430/koldo-garcia-abalos-tribunal-supremo-caso-mascarillas/17047811.shtml