金賢姫の告白本を読んだよ

「いま、女として」(文藝春秋/1993年)
当時、日本国内だけでミリオンセラーを記録した暴露本。
保守系の人の多いなかでこの作品について書くのは躊躇われたけど、わたしのnoteは誰もそんなに読んでないし書いてみるね。
元々北朝鮮に興味があり、古本市に置いてあったので手に取ってみた。
(※陰謀論者の間では、「北朝鮮が悪い国は嘘、本当はいい国だ」ということを言う人もいますが実際に北朝鮮出身の在日の知人と話す機会があり、彼らはやはり本国の悲惨さを教えてくれたので、私は嘘だとは思いません。)
(※この本に書かれていることは、誰かが何かの目的で捏造している可能性はありますが、例えフィクションとしても心打たれた本なので、そのまま紹介します)
ストーリーを説明すると、ミステリアスな美女、金賢姫は北朝鮮に洗脳されていた北朝鮮の工作員で、1987年に「朝鮮統一の足がかりだ」とだまされて飛行機を爆破し韓国人を主とする183人が死亡。そのあと彼女は自殺を試みるが、失敗して捕らえられる。
中国語と日本語が堪能な彼女は韓国政府に捕まってもなお、素性を明かさないように日本人のふりをしたり中国人のふりをする。
尋問で「日本に住んでたのは本当なの?じゃああなたの家のテレビのブランドはなんだった?」という質問で「チンダルゲ(北朝鮮の国産ブランド)」とつい答えてしまう。
韓国人捜査官たちは彼女を責めたりせず
街に連れだす。
北朝鮮では「韓国は貧しく悪の蔓延る治安の悪い場所だ」と教えられていた。
しかし彼女はソウルの活発な街並みや幸せそうな人々を見て、自分が北朝鮮に騙されていたことに気づき、自分がどれだけ罪深いことをしたか自覚する...という話だ。
今までに何度か脱北者の手記を読んできたけれど、私は彼女の魅力に取り憑かれてしまった。
自分が工作員だと認めることは、北朝鮮に残してきた親兄弟の死を意味するのだが、自分の罪深さに気づき、遺族の方々に罪を償うために彼女は認めたのだ。
聡明で負けず嫌い、家族想いで優しい愛国心の強い女の子。彼女は血も涙もないサイコパスのテロリストではない。
北朝鮮の脱北者の方々の話を読むたびに、私は自分の子ども時代に重ねてしまう。
上京して1人暮らししてみて、世の中はそんなに悪いところじゃないと知った。
金賢姫は63歳。今でも歳の割に美しい。
韓国人捜査官と結婚して子どもをもうけた彼女、被害者もいるから賛否両論あると思うけど幸せになってほしいな。
