大和岩雄が『【続】秦氏の研究』で明らかにした謎の渡来人の正体とは?!
歴史ミステリー作家というのだろうか。「聖徳太子=蘇我入鹿説」などで人気の関裕二さんの本を読んでいると、結構な頻度で引用されていることに気づかされるのが、大和岩雄氏である。
私の場合、新宿の紀伊國屋本店で前作『秦氏の研究』(大和書房)をたまたま見つけて衝動買いし、浩瀚な書物であったにもかからわらず、あまりのおもしろさに一気読みしてしまい、勢い余って本作の購入となったわけだ。
はたしてこの続編も、期待を裏切らないどころか、予想を超える傑作であった。当塾では「ユダヤ人研究」を必修科目にするつもりなのだが、それならばまして、この本は必読テキストになる可能性が高い。

人気作家の関裕二さんも引用している。
秦氏はユダヤ人?
そもそも秦氏とは何者なのか。その存在を意識せざるを得なくなったのは、近年、ユーチューブを見るようになってからだった。私の場合、最初、久保有政氏、その後、田中英道氏、そして現在、茂木誠氏と続く。
そこで語られていたのは、「日ユ同祖論」に対する再評価である。ユダヤ人の集団、少なくともユダヤ文化を持った氏族が古代日本に入っていたという見方で、これは私も含め、世間をあっといわせるものだった。
中でも大きくクローズアップされていたのが秦氏と呼ばれる渡来系の氏族集団だ。彼らが大陸から日本に渡り、古代日本を作り上げてきたのは確かなことなのだが、彼らは本当にユダヤ人なのだろうか?!
大和岩雄氏は否定するが…
実は大和岩雄氏はこの見方をはっきりと否定している(否定してるんかい!)。『秦氏の研究』で「秦氏は(中略)イスラエルの遺民だというのであるが」、「景教説を立てるのも無理である」(313頁)といっている通りだ。
しかし、早まってはならない。例えば、次の一節を読んでみよう。大和岩雄は「第十一章 秦の民が祭祀する本来のイナリ信仰」において、お稲荷様が稲作とは無関係だということを実証しつつも以下のようにいう。
(イナリ信仰の由来について)『山城国風土記』に載る餅を弓矢で射る伝承は、丹塗矢伝承と同じ日神の死と再生神事である。(中略)まさにこの死と再生が「イナリ」(偉成・威生)である。(358頁)
否定できないキリストの影
もうお分かりであろう。「死と再生」、これはキリスト教の信仰そのものである。イースターで祝われる死者の蘇りのテーマが、あの赤い鳥居に込められた信仰と重なるというのだ。これは一体何を意味するのか?
つまり大和岩雄氏が、その優れた洞察により秦氏の正体を明らかにしようとすればするほど、自身が否定したはずのイエス・キリストの影が差し、秦氏=ユダヤ人説が頭をもたげてくるのである。
私がこれら秦氏研究の傑作を読みながら、どうしてもその考えを避けることができなかった。実際どうなのか。偶然の一致に過ぎないのか。偶然の一致にしては、出来過ぎた話なのだが…
次回も秦氏で!
そういうわけで、次回、大和岩雄氏がこの本の中で教えてくれる秦氏の特徴について、気になるところを二つ三つまとめていこう。このテーマはどれだけ掘っても掘りすぎるということはない。
なぜなら、秦氏の正体を探ることは、我々自身のルーツについて、直接知ることにつながるからだ。加えてイラン戦争が始まり、混迷を深める現代社会をどう生きればよいのかも見えてくる、と私は考えている。
我々はどこから来て、どこへ行くのか?
――近々またお会いしましょう! ジョン
