【書評】宮川みやび「みやびのごほうび」
宮川みやびのデジタル写真集『みやびのごほうび』を開く。一四〇頁に広がるのは、ミスFLASH2024に輝いた彼女の、柔らかく豊かな肢体と、ほがらかな笑顔だ。家庭教師に扮したドジっ子の表情から、ふと豹変するような妖艶な視線まで。日常の延長線上に潜む二面性が、丁寧に切り取られている。

彼女の魅力は、ただのグラマラスさだけではない。一六八センチの長身に、豊かな胸とヒップを併せ持つ姿は、確かに目を奪う。しかしそれ以上に心を捉えるのは、画面越しにも伝わる親しみやすさである。

配信者として「ポンコツびぃちゃん」と親しまれる素顔が、写真の端々ににじみ出ている。完璧を装わず、少し抜けたところを残す。それが却って、見る者を安心させ、引き込む。

グラビアという表現は、時に虚構に傾きがちだ。だが本作は、虚構と現実の境界をうまく曖昧にしている。汚部屋を思わせる生活感のあるセット、ゴールドのビキニでくねる肢体、オイルに濡れた肌の艶。どれもが計算されつつ、計算臭さを感じさせない。撮影者の眼差しが、彼女の持つ自然な魅力を尊重しているからだろう。

現代の偶像は、スクリーンの向こうで完璧を演じ続けることを求められやすい。しかし彼女は、あえて不完全さを晒すことで、かえって鮮やかに輝く。

ごほうびとは、何も特別な褒美ばかりを指すものではない。日常の疲れを癒やす、ささやかな安らぎもまた、ごほうびである。この写真集は、そんな静かな充足を、静かに差し出す。

頁をめくるたび、彼女の笑顔がこちらに語りかけてくるようだ。どうぞ、ゆっくりご覧ください、と。派手な叫びではなく、穏やかなささやき。それこそが、この一冊の真の価値かもしれない。忙しい日々の合間に、ふと手に取れば、心の片隅が少しだけ温かくなる。そんな写真集である。
