ショパン、最初の一枚に何を選ぶ?
みなさん、こんにちは。
Web&UI/UXデザイナー/SNS運用を生業にしている私ですが、仕事中のBGMとしてクラシック音楽を好んで流していて、前回の記事ではクラシック音楽の入り口にはショパンがおすすめだと書きました。
ショパンのピアノ曲を聴いてみると、「あれ、この曲どこかで聴いたことある」と感じる瞬間が、思っていたよりずっと多いことに気付くはずです。
子どものころ、音楽の時間に聴いていた曲かもしれない。実家でなんとなくかかっていたCDの記憶かもしれない。あるいは、好きだったドラマや映画のワンシーンで流れていた旋律かもしれません。
意識して聴いた記憶はないのに、なぜか頭の片隅に残っている。
その旋律を聞くと、当時の思い出や場所が鮮明によみがえる。
そんな不思議な力を持っているのが、ショパンのピアノ曲なんです。
今回は、そんなショパンを「最初に聴くなら、この一枚」と言える定番のアルバムを紹介します。
① ショパンってどんな人?
1810年、ポーランドに生まれたロマン派の作曲家
フレデリック・ショパンは、1810年にポーランドで生まれた作曲家でありピアニストです。
誕生日は3月1日と言われていますが、2月22日説もあって、実は本人もはっきりしていなかったようです。
時代区分でいうと「ロマン派」を代表する一人。ロマン派というのは、ざっくり19世紀ヨーロッパで花開いた音楽の潮流、くらいに思っておけば十分です。
「ピアノの詩人」と呼ばれる理由
ショパンが一生のうちに残した作品は、楽譜として現存しているもので230曲ほど。そして、ショパンが他の有名作曲家と決定的に違うのは、そのほとんどがピアノのために書かれていることです。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト。
一般的に名前を知られている大作曲家たちは、ピアノ曲だけでなく、室内楽、協奏曲、交響曲と、いろんな編成の作品を残しています。
ショパンにもピアノ以外の作品はあるのですが、正直なところ、現代のコンサートで演奏される機会はほとんどありません。
ピアノ一筋で生涯を駆け抜けた人。
故に「ピアノの詩人」と呼ばれ、いまでも世界中で愛され続けているのです。
もっと詳しく知りたいなら、この一冊
ショパンの生涯については、いずれこの連載でもゆっくり書こうと思います。手っ取り早く知りたい人には、新潮文庫の『カラー版 作曲家の生涯 ショパン』(遠山一行 著)が定番です。図版も多くて読みやすい一冊なので、興味があれば。
② ショパン入門でつまずきやすい、2つのポイント
形式(ジャンル)で分類されていてわかりにくい
ショパンのピアノ曲は、形式ごとに名前がついています。
ワルツ(円舞曲)
ノクターン(夜想曲)
エチュード(練習曲)
プレリュード(前奏曲)
バラード、スケルツォ、ポロネーズ、マズルカ ……
CDやアルバムも、この形式単位でまとめられているものが多いんです。
で、初心者からするとこれが地味にハードルになります。
「ノクターン全集って言われても、何のことかわからない」
「エチュードって、練習曲でしょ? 聴いてて楽しいの?」
まぁ、そう思いますよね。普通の感覚です。
弾く人によって印象がガラッと変わる
それから、同じ曲でもピアニストによって印象が驚くほど変わります。
ショパン本人が弾いた音源があれば話は早いのですが、当時はまだ録音技術がなかったのでそういったものは残っていません。
なので私たちは、後の時代のピアニストが弾いたショパンを聴くしかないのです。
そして正直に言うと、世の中に出回っているショパンの音源には「これは、ちょっと…」と言いたくなる演奏も少なくないのです。
③ 最初の一枚は、これで間違いなし
おすすめは『別れの曲〜ショパン名曲集』
そこで、おすすめしたいのがこの一枚です。
タイトル:『別れの曲〜ショパン名曲集』
演奏:ウラディーミル・アシュケナージ
レーベル:DECCA(デッカ)
これは形式ごとにまとめたものではなく、ショパンのピアノ曲の中から「聴きやすくて有名なもの」だけを集めたベスト盤です。
このアルバムを推す3つの理由
レーベルがDECCA クラシックの名門レーベルで外れがありません。
ピアニストがアシュケナージ 20世紀後半を代表するロシア出身の巨匠で、クラシックを聴く人なら誰もが知っているピアニストです。
収録曲がベスト盤 どれも一度はどこかで耳にしているはずの名曲ばかりで、「あ、この曲!」と「初めて聴くけど、これいいなぁ」が交互にやってきます。
知っている曲だけつまみ食いするのではなく、ぜひ通して聴いてみてください。
聴き終わったときに「ショパン、いいかも!」と思えたなら、もうこちらの世界の人です。仲間が増えて嬉しいです(笑)
④ 2026年のいま、どうやって聴くのがベスト?
サブスクで丸ごと聴ける時代になった
一昔前なら「とりあえずCDを買おう」が普通の流れでした。
でも、状況はだいぶ変わりましたよね。
いまはSpotify、Apple Music、Amazon Music、YouTube Musicといったサブスクで、アシュケナージの演奏する『別れの曲〜ショパン名曲集』がまるごと聴けます。
「アシュケナージ ショパン 名曲集」で検索すれば一発で出てきます。
月額数百円〜千円ちょっとで、このアルバムだけでなく、彼が遺した膨大なショパン録音のすべてに触れられる。本当にいい時代になりました。
YouTubeで探すときの注意点
YouTubeでも個別の曲はもちろん聴けますが、ここで一つだけ注意点を。
曲名だけで検索すると、演奏のクオリティがピンキリで、大量の動画が出てきます。もうプロもアマチュアもごちゃまぜです。
なので、最初の一枚として体験するなら必ず「アシュケナージ」と組み合わせて検索してください。
⑤ アシュケナージという、伝説のピアニスト

2020年に演奏活動から引退している
念のため書いておくと、ヴラディーミル・アシュケナージは2020年1月にすべての演奏活動からの引退を発表しました。指揮活動も含め、舞台からは退いています。
もうかなりのご高齢の方ですからね、自然なことでしょう。
ただ、彼が60年以上にわたって遺してきた録音は、いまもピアノ音楽の歴史的な財産として残り続けています。
特にショパンは、彼の生涯のテーマと言ってもいい作曲家でした。
録音は色褪せない
引退したからといって、彼の演奏が古くなるわけではありません。
むしろ、今このタイミングで彼のショパンに出会うのは、ちょっと特別なことだと思います。
⑥ まとめ
最初の一枚を選ぶときに大切なのは、たった2つです。
有名な曲が入っていること
最初に「知ってる!」が起きると、一気に距離が縮まります。信頼できるピアニストが弾いていること
演奏の質で印象が180度変わります。
この両方を満たしているのが、先に紹介したアシュケナージの『別れの曲〜ショパン名曲集』。
なので、ショパンの最初の一枚として迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。
スマホを開いて、サブスクで「アシュケナージ ショパン 名曲集」と打ってみてください。あなたとショパンが出会う記念すべき瞬間になるはずです。
次回は、みなさんが「ショパン最初の一枚」を、もう少し解像度を上げて楽しめるように、このアルバムに入っている曲を私なりに一曲ずつ紹介していきます。
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