見出し画像

あの時さ、無理して食べたんだよね

初めて一時保護で幼児の里子ちゃんを預かった時のこと。

当時、双子の娘たちは
小学1年生でした。

事前に聞いていたのは、
その子は納豆ご飯が大好きだということ。

そこで初日の夜ご飯に、
さっそく納豆を出しました。

すると、里子ちゃんは
あっという間に完食。

そして、すぐに「おかわり」

家族みんなが驚きました。

わが家では、
納豆は1人1パックが当たり前。

というより、
納豆ご飯をおかわりするという発想自体がありませんでした。

でも、初日の夜です。

慣れない場所で頑張っているんだし。

好きなものなら食べさせてあげたい。

そう思って、
2杯目の納豆ご飯をよそいました。


その時の私は、

「すごいね」
「よく食べるね」

そんな言葉をかけていたと思います。

すると、
それを見ていた娘たちも立ち上がりました。

「私もおかわりする」

ご飯は少し多めに炊いていたけれど、
内心ちょっと心配になりました。

でもその時は、
子ども同士で影響を受けることはよくあるし、
今日はよく食べる日なんだな。

そのくらいにしか思っていませんでした。

それから何年も経って、
ある時その話になりました。

「あの時さ、母ちゃんずっと里子ちゃんを褒めてたよね」

「え?そうだっけ?」

「だって『すごいね〜』『よく食べるね〜』って言ってたじゃん」

そして娘は続けました。

「だから私も褒めてほしくて無理して食べた」

思わず笑ってしまいました。

だって、
私はただ驚いていただけだったから。

褒めているつもりなんて、
全然なかったんです。

でも子どもたちにはそう見えていた。

そして、褒められたい一心で、お腹いっぱいなのに頑張って食べていた。

10年以上経ってから答え合わせをされるとは思いませんでした。


親が覚えている出来事と、
子どもが覚えている出来事は違う。

だから子育ては面白いし、
ちょっと怖い。

ちなみにわが家は今でも、
納豆ご飯のおかわりをする子はいません。

いいなと思ったら応援しよう!