【火垂るの墓】なぜ主人公の兄は周囲の大人と賢くやれなかったのか?
Netflixで『火垂るの墓』を観ました。
もう何度めになるかしら?
正直いうと、
はじめて観た時から
主人公の少年の
無計画さ、未勝手さは
目についてしまうんですが、
それはこれまでと同じでした。
だから主人公に対して
共感はしにくいんですよね。
彼が周囲にしっかり気配りしていたら
視聴者は、
彼に優しく、
彼に共感し、
彼を応援していくはずなんです。
とまあ、そこまでは、
これまでも様々な人によって
『火垂るの墓』の問題点として
指摘されてきました。
私の、共感しにくいという意見も、
ありふれたものに過ぎません。
でも、今回はなぜだか、
ちょっと見方が変わりました。
高畑勲監督が、
ああいう具合に描いたら
共感は得にくい事なんて
百も承知だったはずなんです。
昨今、なにかとマンガやアニメは
共感がマストに思われがちですが、
高畑勲さんは
もう少し、戦争の本当のリアルを
描きたかったのではないかしら?
10代の少年が
親を戦争の犠牲で亡くした矢先、
妹と二人になり、
おばさんなど冷たい周囲に対し
かわいげたっぷりに
賢く振る舞えるでしょうか?
リアリティとしては
映画と同じように、
または映画以上に、
おばさんら周囲の大人に対し
苛立ってしまうのが
リアルな実情だったでしょう。
そこを、
現代的な共感欲しさから
ありふれた演出にしなかったところが
高畑監督の深さなのかもしれない。
10代の少年のリアルな心情を
改めて想起したら
少年の未勝手な愚かさこそが
リアルであり、
真実だったに違いない、、、
そんな気がしてきたんです、今回。
10代20代30代40代と
何度も観てきましたが、
どうしても少年に共感できず、
少年の場当たり的な
判断力の無さが、
妹を不幸な結末に
導いたのではないか?と、、、。
そう思い込んでいたのは、
私の浅さでした(汗)。反省。
妹を、また彼自身を
不幸な結末に導いた最大の要因は
何を隠そう、
戦争に突き進んだ日本であり、
爆撃を止めないアメリカだったのでした。
これでやっと、
私も遅ればせながら
『火垂るの墓』を観る
スタート地点に立てたかな?
