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yakkuru1019
「母という影響から、自由になっていく」
第一回 その影響は、思っているよりずっと広い範囲に及んでいる
母親との関係が、今の自分にどれくらい影響しているか。そう聞かれても、多くの人はすぐには答えられないかもしれません。なぜなら、その影響は「母親のことを考えているとき」にだけ現れるものではなく、もっと静かに、生活のあちこちに染み出しているものだからです。
たとえば、こんな場面に心当たりはないでしょうか。
・上司や恋人に、頼みごとをするのが苦手で、つい自分でやってしまう
・誰かに少し強く言われただけで、必要以上に自分を責めてしまう
・褒められても素直に受け取れず、「そんなことない」と打ち消してしまう
・人との関係が深まりそうになると、なぜか距離を置きたくなる
・「迷惑をかけてはいけない」という気持ちが、いつも先に立つ
これらは一見、母親とはまったく関係のない、今の自分の「性格」や「クセ」に見えます。けれど、その根っこをたどっていくと、幼いころに「どう振る舞えば安全だったか」「どうすれば見捨てられずにすんだか」という、生き延びるための学習に行き着くことが、少なくありません。
対人関係の距離の取り方、自己評価の低さ、頑張りすぎてしまう癖、逆に頑張ることそのものを避けてしまう癖。仕事の選び方や、パートナーの選び方にまで、その影響は及んでいることがあります。「安心できない関係」を、無意識のうちに選び続けてしまう、というようなかたちで。
これは、あなたが弱いからでも、おかしいからでもありません。子どもは、与えられた環境の中で、なんとか生き延びるための最適な戦略を、必死に学び取っていきます。その戦略が、大人になった今の環境では、もう必要のないものになっている。ただそれだけのことなのだと思います。
次回は、この「気づきにくさ」そのものについて、もう少し掘り下げてみたいと思います。
