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ちかひこ🎶



ゆびきり げんまん
四つの音を
最初に空へ放った
指は もう どこにもない
げんまんと重ねた
ちひさなともしび
痛みの記憶を持たないまま
拳が万 降り注ぐ

ノンデの後の沈黙が 長く響いて
ハリセンボンまで
言いきれなかった舌が
途中で ガラスに変わってゆく
透きとおる針の森を
嘘はどこにも刺さらずに
ただ 通り抜けてゆく

小ユビと小ユビ
絡まるのは ひといき分
地上でもっとも脆い橋を
渡り終えたふりだけが
歳月のあはひに しづかに積もる
どこにも刺さらぬことが
いちばん こわい罰だから

ちかひこは 結び目の闇の中
細く白く 糸を吐きつづけている
言葉にならなかった
温みのなれの果てとして
静かに静かに 織りあげる

やがて音は文字から剥がれ
文字は紙から剥がれ
紙は誰からも剥がれてゆく
すべてが消え去った 世界の果てで

届かなかった うんという返事
その「う」と「ん」の あはひで
今も微かに 結ばれつづけている
ちひさな ちひさな 指

ゆびきり げんまん
消えゆく音の あはひで
今も結ばれている
ちひさな 指


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