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全部を改善しようとする管理職は、何も改善できない

【Phase4:強い管理職】

「改善したいことが多すぎて、どこから手をつけるべきか分からない」
「いろいろ手を打っているのに、チームの成果が変わらない」
「一つ直すと、別のところで詰まる」
「頑張って効率化したのに、全体のスピードが上がっていない」
「メンバー全員に改善を求めているが、疲弊しているだけの気がする」
この状態の正体は、改善の努力不足でも、施策の質でもない。
どこが全体を律速しているかを観測していないことにある。

はじめに

Phase3で、チームの運営OSを設計してきた。

判断の流れ。
品質の担保。
状態の観測。
起きたことの蓄積。

これらが回り始めると、次の段階に入る。

チームは止まらなくなった。
だが、劇的に速くなったわけではない。

もっと成果を上げたい。
だから、改善に着手する。

会議を減らす。
ツールを導入する。
テンプレートを整備する。
メンバーのスキルを上げる。
自分の処理速度を上げる。

どれも正しい施策だ。
実際、それぞれの領域は少し良くなる。

だが、チーム全体の成果は、ほとんど変わらない。

管理職側は、こう解釈することが多い。

改善の量が足りない。
もっと施策を打たなければ。
メンバーの意識をもっと上げなければ。
自分がもっと動かなければ。

だが、ここで一度切った方がいい。

本当に問題なのは、改善の量なのか。
本当に問題なのは、施策の質なのか。
本当に問題なのは、メンバーの意識なのか。

違うことが多い。

かなりの確率で、問題は
「全体を律速している一点を、観測していないこと」
にある。

ここで、一つの原則を置く。

チームの成果は、最も詰まっている一点で決まる。

これは感覚的な話ではない。
仕事が「流れ」である以上、構造的にそうなる。

10の工程を通過して成果が出るチームがあるとする。
9つの工程が1日で処理でき、1つの工程だけ5日かかるなら、
このチームの処理能力は、5日の工程に規定される。

9つの工程を0.5日に短縮しても、全体は速くならない。
5日の工程が変わらない限り、成果の総量は変わらない。

これがボトルネックだ。

そして、多くの管理職が改善に失敗する理由は明確だ。

ボトルネックではないところを改善しているからだ。

改善しやすいところ。
自分が得意なところ。
効果が見えやすいところ。
メンバーが協力的なところ。

こういう場所から手をつける。
だが、そこがボトルネックでなければ、
全体の成果は1ミリも変わらない。

努力は無駄になるどころか、有害ですらある。
なぜなら、改善のエネルギーには限りがあるからだ。
効かない場所に投じたエネルギーは、
効く場所に投じられなかったエネルギーだ。


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