見出し画像

【決算分析】古野電気株式会社(6814)2027年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)


(1)経営成績

・売上高: 381億1,500万円(前年比: +21.8%)
・営業利益: 56億8,100万円(前年比: +65.3%)
・経常利益: 63億3,400万円(前年比: +61.7%)
・純利益: 48億8,100万円(前年比: +38.2%)
・売上営業損益率: 14.9%[1Q単体](前年比: +3.9Pt)

(2)通期計画達成率

・売上高: 25.7%
・営業利益: 33.4%
・経常利益: 37.3%
・純利益: 37.5%

【解説】
売上高は前年同期比21.8%増となり、商船向けや中国を中心とした海外販売、保守サービスが好調に推移したことで大幅な増収となった。利益面では売上増に加え採算改善も寄与し、営業利益・経常利益ともに60%を超える高い伸びとなっている。

第1四半期時点の通期進捗率は、売上高25.7%に対し利益は30%台後半まで進捗しており、利益面は会社計画に対して良好な滑り出しとなっている。一方で会社は中東情勢や中国の輸出規制、半導体メモリー需給の不透明感を理由に通期予想を据え置いており、現時点では慎重な見通しを維持している。

(3)BS(貸借対照表)

【財務安全性】
・現金及び預金: 203億9,900万円
・現金比率: 59.4%
・流動比率: 302.0%
・自己資本比率: 64.2%
・のれん比率: 0.7%

【負債・資本構成】
・有利子負債: 140億9,100万円
・ネットD/Eレシオ: ▲0.1倍
・利益剰余金: 617億8,800万円

【収益・バリュエーション】
・株価: 6,390円(2026年7月10日終値時点)
・時価総額(自己株式除く): 2,019.8億円
・発行済株式数(自己株式除く): 3,160万8,774株
・売上総利益(粗利): 167億6,800万円
・粗利率: 44.0%
・販売費及び一般管理費: 110億8,600万円
・販管費率: 29.1%
・BPS(1株純資産): 2,905.7円
・PBR(株価純資産倍率): 2.2倍

【解説】
自己資本比率は64.2%と高く、流動比率も302.0%あることから、財務の安全性は非常に高い水準となっている。また、有利子負債を現金及び預金が上回っており、ネットD/Eレシオは▲0.1倍となるなど、借入負担は軽い。

資金繰りについては、現金は前期末より減少したものの約204億円を維持しており、短期的な資金繰りに大きな懸念はみられない。一方で、売掛金の増加は売上拡大に伴う運転資金需要の増加によるものと考えられる。

利益剰余金は約22億円増加しており、継続して利益を積み上げていることから、将来的な配当や自己株式取得など株主還元を行う余力も十分に確保している。

(4)セグメント別の概況

・舶用事業
セグメント売上高: 325億6,400万円(前年比: +18.0%)
セグメント利益: 57億3,600万円(前年比: +45.5%)
セグメント利益率: 17.6%

【解説】
中国を中心とした商船向け新造船需要が引き続き好調に推移したほか、既存船向け機器や保守サービスも伸長した。米州ではプレジャーボート向けは弱含んだものの、戦略商品の販売が補い、欧州・アジア・日本でも販売が堅調だった。利益率も17%台まで高まり、全社業績を牽引している。

・産業用事業
売上高: 46億3,700万円(前年比: +51.8%)
セグメント利益: 2億6,400万円(前年比: 黒字転換)
セグメント利益率: 5.7%

【解説】
ITS・GNSS製品や防衛装備品の販売拡大が業績を押し上げた。一方、中国市場では生化学分析装置の販売が減少したものの、防衛関連の増産が大きく寄与し、前年の赤字から黒字へ転換した。

・無線LAN・ハンディターミナル事業
売上高: 8億3,900万円(前年比: +48.5%)
セグメント利益: ▲8,800万円(前年比: 赤字縮小)
セグメント利益率: ▲10.5%

【解説】
文教市場向け案件の増加により無線LANアクセスポイントの販売が伸び、売上は大幅に増加した。利益面では依然赤字ではあるものの、前年より赤字幅は大きく縮小しており、収益改善が進んでいる。

・その他事業
売上高: 7,300万円(前年比: ▲2.4%)
セグメント利益: ▲2,000万円(前年比: 赤字縮小)
セグメント利益率: ▲27.4%

【解説】
電磁環境試験事業などで構成されるセグメントであり、売上は前年並みとなった。一方で赤字幅は縮小しており、収益改善の動きがみられる。

(5)個人的に気になるところ

・通期利益進捗率が非常に高い
【解説】
営業利益33.4%、経常利益37.3%、純利益37.5%と、第1四半期としては高い進捗率となっている。会社は業績予想を据え置いているものの、利益面は計画を上回るペースで推移しており、今後も好調が続けば上方修正の可能性があるかが注目される。

・中国を中心とした商船需要の継続
【解説】
舶用事業では中国向け新造船販売が引き続き好調で、保守サービス需要も伸びている。現在の業績拡大の中心となっているため、この需要が今後も維持できるかが重要なポイントとなる。

・会社は慎重な業績見通しを維持
【解説】
第1四半期は想定を上回るスタートとなった一方で、中東情勢や中国の輸出規制、半導体メモリーを中心とした部材調達リスクを理由に会社は通期予想を据え置いている。外部環境の変化次第で今後の業績見通しが変わる可能性があり、次回以降の決算で会社の見方に変化があるか注目したい。

(6)初心者向け解説

【点数基準】
9~10点:非常に優秀
7~8点:良好
5~6点:標準的
3~4点:課題あり
1~2点:大きな課題あり

①成長力:9/10
・売上は前年より21.8%増え、大きく成長している。
・中国を中心に海外でよく売れ、船の修理や点検の仕事も増えた。
・船以外の事業も伸びて、会社全体が順調に大きくなっている。

②収益性:10/10
・売上だけでなく、もうけも大きく増えた。
・しっかり利益を出せていて、とても調子が良い。
・今まで赤字だった事業も黒字になり、会社全体が良くなっている。

③財務安全性:10/10
・会社は約204億円のお金を持っている。
・借金より持っているお金の方が多く、安心できる。
・急にお金が必要になっても、対応できる力がある。

④資金効率:8/10
・会社に残るお金は少しずつ増えている。
・もうけたお金が増え、会社のお金も増えている。
・利益を積み重ねていて、これからも安定して会社を運営できそう。

⑤将来性:9/10
・世界で船の機械がよく売れている。
・防衛関係や海外での仕事も増えている。
・会社は慎重な予想をしているが、今のところ予定より良い結果になっている。

⑥総合評価:9.2/10

【注目ポイント】
・海外での売上がどんどん増えている。
・会社の予定より早いペースで利益が増えている。
・これから会社が業績予想を上げるかどうか。

【まとめ】
売上も利益も大きく増え、お金にも余裕がある良い決算だった。このまま順調に進けば、今後の業績予想が良くなる可能性もある。今回の決算を簡単に表すと「海外でよく売れて、会社が大きく成長した決算」

出典情報

・出典資料: 2027年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
・発行元: 古野電気株式会社
・発行日: 2026年7月10日
・URL: https://www.furuno.co.jp/

いいなと思ったら応援しよう!