【ブックガイド】読むのが怖い。でも止められない。編集部おすすめの「怪談小説5選」
怪談、お好きですか。
あやしいもの、おぞましいもの、おそろしいものが出てくるお話は、お好きですか。
ページをめくるのが怖くて、文字を目で追うのが恐ろしくて、思わず手を止めてしまいそうになって――
でも、それ以上に先が気になって、物語のおわりにあるものを知りたくて。
怖いのに、読んでしまう。読まされてしまう。
そして、思いもよらないところへ連れていかれてしまう。
そんな小説を、ご存知ですか。
さまざまな形で怪談を物語に取り込んだ、編集部おすすめの“怪談小説”を5つ、ご紹介します。
恐怖、驚愕、救い――。さまざまな感情を連れてくる「怪談小説」5選。
新名智『虚魚』(角川文庫)

私は探している、「人を殺せる」怪談を。怖いのに泣ける感動のミステリ!
怪談師を生業としている三咲は、体験した人が本当に死ぬ怪談を探している。相棒は「呪いか祟りで死にたい」というカナちゃんだ。新たな怪談が見つかると、死ねるかどうか確かめてくれる。そうして”本物”を見つけたら、あの男に復讐ができる。
ある日、カナちゃんが「釣ると死ぬ魚」の噂を聞きつける。静岡県のある川の河口付近で見たこともない魚を釣った人が、数日のうちに死んでしまったというのだ。類似する怪談を知らなかった三咲は、噂の発生源を辿って取材を始める。すると、その川沿いには不思議なほどに共通点を持った怪談が伝わっていることが分かってきた。これは偶然か、それとも狗竜川には怪異の原因が隠されているのだろうか。もしや、この怪談を追えば、ついに”本物”に辿り着けるのではないか?
“本物”の怪談の気配を感じ、三咲は調査にのめりこんでいく。しかし、うまくいくということは、カナちゃんが死んでしまうということだ。自分はそれを望んでいるのだろうか――?
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞、圧巻の〈大賞〉受賞作!
小野不由美『営繕かるかや怪異譚』(角川文庫)

雨の日に鈴の音が鳴れば、それは怪異の始まり。極上のエンターテインメント
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている。
(「奥庭より」)
古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)
ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。 あれも、いない人?(「雨の鈴」)
田舎町の古い家に引っ越した真菜香は、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。
(「異形のひと」)
ほか、「潮満ちの井戸」「檻の外」。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに存分に腕をふるった、極上のエンターテインメント小説。
宮部みゆき氏、道尾秀介氏、中村義洋氏絶賛の、涙と恐怖と感動の、極上のエンタ-テインメント。
著:三津田信三/薛西斯/夜透紫/瀟湘神/陳浩基、訳:玉田誠 『おはしさま 連鎖する怪談』(光文社刊)

茶碗のご飯につき立てられた竹の箸――これは死者の食べ物だ。
夢の中でひとりずつ死んでゆく小学生。
珊瑚の箸に宿る霊神。
都市伝説に殺された動画配信者。
壮絶な過去を告白する娼婦。
決して離れない異形の怪物。
歪(いびつ)に結ばれた五つの物語が、奇怪なかたちに膨れあがる。
日本・香港・台湾の人気ホラー&ミステリー作家が競演!
梨『ここにひとつの□がある』(角川ホラー文庫)

この■を持っていると、恐ろしいことが起きる。
フリマアプリで、「カシル様専用」として箱を出品すると、必ず落札される――。ある学校で流行っていたちょっとしたお小遣い稼ぎ。しかし、これにはある決まりがあった。カシル様への箱には、中に何も入れてはならない。中にうっかりメッセージカードを入れてしまった男子生徒の運命とは。(「カシル様専用」)
「すべてのことばをみつけてつなげよう!」 何の変哲もないクロスワードパズル。あなたはそれを解いていたはずだった。普通のパズルとは違うと気づいた瞬間には、もう元には戻れない。(「穴埋め作業」)
中に閉じ込められているものは何か。新進気鋭のホラー作家が描く、恐怖の連作短編集!
宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』(角川文庫)

江戸中の不思議話が、娘の心を溶かしてゆく。さあ、おはなしを始めましょう。
ある事件を境にぴたりと他人に心を閉ざしてしまった十七歳のおちか。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。
