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40代の転職|第2話|今、私がいる会社、普通じゃないのかもしれない…

入社2日目。
初日に教えてもらった作業を淡々とこなし、初日同様に午前中のなんとなーくの作業を終えた。

でも、午前中の作業をしながら、これまた違和感を覚えた。
作業をしている私の周りでは、仕事と全く関係のない会話が飛び交っていたのだ。

「昨日さぁ、旦那とこんな事があってさぁ」
「あそこのお店のあれ食べた?」

いわゆるお局さん(お局B)が、若手女子社員に仕事とは全く関係のない話をしていて、若手女子社員も一緒になって世間話で盛り上がっている。

「明るい職場って事なのかなぁ…」
そう自分に言い聞かせていたが、違和感はそれだけではなかった。

お局Bは定期的にデスクから離れ、もう1人のお局Aの隣に座り、コソコソ話をしているのだ。
事務所の電話がなっていても、全くお構いなし。
電話に応対する気配すらない。

さらに、私の上司においては 「ふぁ~あ」と事務所全体に響き渡るボリュームであくびを繰り返し、時折「はぁ~あ」と大きなため息をつく。

「なんか…おかしい…」
入社2日目のまだ午前中なのに、明らかに私がこれまで経験した事のない"ゆるさ"に溢れかえっている事が分かる状況だったのだ。

そして更に疑問に感じた事が、同じ事務所内に役員的な立場の方が数名いらっしゃるのだが、誰もそれについて注意しないのだ。

そして、私の上司含め、管理者として役職がついている人たちは、いわゆる"名前だけ管理者"なのだ。

部下を注意することをしない。
部下に仕事のアドバイスをする訳でもない。
部下が何の仕事をしているのかも、全く把握していない。
こんな感じの管理者。

「ここの会社…大丈夫か…?」
2日目にして、違和感が増してきた。

そして午後。
外出していた社長が戻ってきた際に、社員のみんなに差し入れを持ってきてくれた。

その時だった。
「みんな~、おやつだよ~」
お局Aの声が事務所内に響く。

「え~?なに~?」
中堅女子社員の声が響き渡る。

「うわぁ、やったぁ。美味そうっスねぇ。」
若手女子社員もそれに続く。

仕事そっちのけで、寄ってたかっておやつに群がっているのだ。
その間、事務所の電話はなりっぱなし。
私の周囲にいる先輩A、先輩Bも電話に出る気配なし。

「これ、私が電話に出た方が良いのだろうか?」
戸惑っていたら社長が私のデスクにきて
「はい。〇〇会社です。」
電話に出てくれたのだ。

「ん?社長が電話に出る?事務員が多数いるのになぜ?」
正直、頭の中が「?」になった。

とにかく私は周りの状況に気づいていないフリをして、作業に集中しているフリをして、その時自分自身ができる精一杯の誤魔化しの態度を取っていた。

仕事そっちのけで、事務員はお菓子に群がる。
社長が事務所の電話に出る。

今の私が勤める会社は小さな会社ではあるが、こんな光景は、今まで務めた会社では一度も見た事がない。

今としては分かり切っていることだが、私が勤めている会社では、こんな事は当たり前の光景だったのだ。

「なんか…ここ、普通じゃないのかもしれない…」 そんな思いを巡らせながら、入社して1ヵ月と時は過ぎて行った。

そして入社2ヶ月目に、今までの私の常識を覆す出来事が起こった。

私の上司が体調不良による、突然のお休み。
人間誰しも体調を崩す事はある。
それは仕方がない事だと思った。
しかし、その後の出来事がありえなかった。

上司が日ごろやっている仕事を、何の引き継ぎもない状況で、なぜか私がフォローする事になったのだ。

今となってはなぜそうなったのかも覚えていない。
そして、その日は繁忙期真っただ中。

多くの事務作業をこなさなければならない繁忙期の最中に、上司の仕事の穴埋めまで任された。
入社からまだ2ヶ月目に入ったばかりの私が、だ。

「なんで私???」
そんな疑問もある中で、とにかく慣れ始めたばかりの自分の作業を精一杯こなし、上司が日ごろやっている作業も周囲の先輩方に聞きながら進めた。

「あー、ここもどうやったらいいんだろう?」
上司の仕事なので、もちろん分からない事だらけ。

「あのー、すみません。これってどうしたら良いんでしょうか?」
隣の先輩Aに質問。

当然の事ながら、回答してもらえると思っていた。
しかし、私の予想通りにはならなかった。

「あー!もう!今ムリ!こっちも忙しいんだから!それに俺にはその仕事分らんよ!」
と一蹴されてしまったのだ。

困った。
でも、たまたま手が空いていた別の先輩Bが
「多分その作業は、こうやっとけばいいと思うよ」と助け船を出してくれた。

そんな状況の中、何とか上司の仕事は終える事ができた。
でも、自分自身の作業が止まっていた分、もちろん残業となってしまった。

まだ仕事に慣れていない私でも、普段残業しても1時間程度。
その日は4時間以上の残業となった。

入社時の説明では、月40時間までは固定残業制なので、残業代がプラスされない事は知っていた。
それは別に仕方がない事だと思う。

「なんだかなぁ…まぁいいや…今日は疲れた…早く帰って寝よ…」
戸惑う気持ちもありながら、とにかく会社を後にした。

そしてこの後、更に会社の異常な体質を、私は目の当たりにすることになる。

続く。

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