【読書感想文】仮面病棟
本書を手にしたのは、タイトルもさることながら作者だ。
知念氏の作品は、今まで読んできて外れたことがない。
そのため、今回もかなり期待して読み始めた。
すると、すっと知念氏の世界に入って行く。
そこは個人病院。
総合病院の医師が、バイトということで、
深夜の担当医として勤めるのだが、
まさかの事件に遭遇してしまう。
ピエロの仮面を被った男と、腹を撃ち抜かれ床に転がる女。
即座に助けに入るのが、バイト医師の速水。
転がっている女は、19歳の妖艶な女性。
厚化粧だが、男心を掴むタイプらしい。
撃ち抜かれた腹を縫合し、その後はピエロの人質になるのだが、
速水他医院長、看護師たちと共に、苦境に立たされる。
ピストルをちらつかせ、いつでもお前たちを殺せる!
と脅すピエロ。
しかも、病院の裏事情まで見えてきて、
これは許せないと怒りが湧き、恐怖しながらも『なぜ?』に挑戦し続ける。
そのために廊下を走り、階段を走るわけだが。
ここで疑問がわく。
縫合手術とはいっても、手術したわけだよね。
手術したばっかりの人が、そんなに歩けるの?
手術した経験あるけどさ、痛くて歩くどころじゃなかったよ。
というか、痛み止めのおかげで大分楽だったけど。
それでもやっぱり痛かったよ。
切迫した状況だから、走ったりしてるのかもしれないけど、
傷、開いちゃうんじゃないの?
なんてことを考えた。
でもきっと、書いてる知念氏は医者だし、
そこは想定内なんだろうな。
そして、ピエロの目を欺きながら、何とかこの状況から助かりたい。
いや、女(愛美)だけでも助けたいと思う速水は、
あの手この手と考える。
だけどね、結構この速水、ビビりだったりする。
でも、頭のいいドクターだし、そりゃぁこうなるのが人間だよね。
なんてことを考えながら、迫りくる恐怖を読み進めた。
読みながら、思うのは
「来るって! 早く動けよ!
なんでそこでぼんやりしてんだよ!
考えてる暇に、動けってば!」
という叱咤する思いだった。
こうして話は進んでいくんだけど、途中で、
もしやこの犯人って、共犯がいる?
とか、速水の先輩も噛んでないか?
などの想像が湧く。
だが、最後までその辺は明かされず、
エピローグとなって、やっぱりかよ(笑)
だった。
だとしたら、この犯人捕まるのかな?
と思ったけど、スマートな終わりとなった。
うん! 面白かった~。
やっぱり、知念氏だよね。
久しぶりに、るんるん気分で読み終えることができる作品だった。
タイトル:仮面病棟
著者:知念実希人
出版:実業之日本社
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