見出し画像

クリスマスの翌朝に門松が立つ国で

街がきらきらしている。
ツリーの玉がまだ眠そうに光っているのに、ショーウィンドウの奥では段ボールが開いて、松と竹がスタンバイ。日本人って律儀だよね、と思う。だって、25日の夜サンタ撤収→26日の朝には門松デビュー。この引き継ぎ、もはやプロのリレー。

商店街のBGMもおもしろい。昨夜まで「ジングルベル」だったのに、今朝は和の調子がふわっと流れている。赤と緑の世界から金と白の世界へ、一晩で衣替え。画面の右上で季節アイコンがサッと切り替わったみたいに、街は何事もなかった顔で新年モードに入る。

この律儀さは、たぶん小さな手仕事の連鎖だ。閉店後に梯子を運ぶ人、リボンをほどく人、造花の松をほこりから守ってくれた人。誰かの“ちゃんと”が積み重なって、翌朝の「おめでたい」が間に合う。季節の切り替えって、気合いじゃなく段取りなんだな、とガラス越しに学ぶ。

一方で、心のほうはそんなに早く切り替わらない。
ツリーのきらめきにまだ未練があるし、ケーキの箱の甘い香りも少し残っている。外の景色は門松でも、内側はまだ鈴の音が鳴っている。だから私は、今年も“気分の仕事納め”はしないことにした。飾りは一晩で変えてもいいけれど、心は一日遅れくらいが、ちょうどいい。

それでも、門松の前を通ると背筋がすっと伸びる。
「ようこそ、来年」。そんな挨拶を街じゅうで練習している感じ。律儀さって、他人のためというより、自分の整え方なのかもしれない。区切りをきっちり作ったら、またゆるく崩して、また結ぶ。リボンみたいに。

帰り道、ツリーのオーナメントが箱に収まっていくのを見て、私もカバンの中を少しだけ整理した。使いかけのリップ、領収書、飴玉。たぶん新年は、こういう小さな片づけから始まる。大掃除じゃなくて、ポケット一つ分の準備。

クリスマスから門松へ。
このスピード感に合わせられなくても大丈夫。
街は律儀に走ってくれるから、私たちは歩いて追いつけばいい
そしてどこかの店先で、松の緑が朝日に透けているのを見かけたら、小さく会釈をして通り過ぎよう。——「今年も、よろしくね。」


🌿 あなたのペースで「やりたいこと」を見つけたいあなたへ
もし、この記事を読んで「少し心が軽くなった」「もう少し自分の気持ちを整理したい」と感じたなら、
カウンセリング、占いという形で、あなたの話をゆっくりと聴かせてください。
👉 https://verbum-ala.com/
💬 オンラインカウンセリング
📞 ココナラでのご相談・コーチング・オラクルリーディング

いいなと思ったら応援しよう!

かな よろしければ応援お願いします! 💰チップ=湿布代です。ほんとに。note書きすぎて肩が限界突破中。 あたたかい応援で、冷湿布とモチベーションを買わせてください。 ご支援はすべて、筋肉と気力に還元されます。