読了。「女の子がハッピーに生きるための3つのこと」福木はる 著:講談社 刊(ネタバレ)
朝日新聞の「好書好日」のコーナーで紹介された児童書、
「女の子がハッピーに生きるための3つのこと」読み終えました。
児童書ということもあり、読みやすく、またわかりやすい内容のモノでした。
主人公のかふうちゃん(小6)と、その母親・愛海(らぶみ)とは母子家庭です。30にならない愛海(らぶみ)=むちゃくちゃキラキラネームと言えるのではないでしょうか―――は、元気で明るい、ぶっとんだ性格で、毎日、前向きに過ごしています。
①いい映画を見ること
②想像を楽しむこと
③ひとりを恐れず、強くなること
これら3つが「女の子をハッピーにする3つのこと」だと家訓?で。
かなりぶっとんで明るい性格の愛海を、お年頃のかふうは、ちょっと引いた感じもあり、それでも大事な家族として見ています。
かふうは、愛海に車の免許を取るように勧めます。
自動車学校にも通い、順風だった愛海ですが、詐欺にあい大金を失います。
そのお金は、かふうの学資のためのお金で、とてつもなく愛海は落ち込み引き込まる始末。それを、かふうは、愛海の勤め先のスナック・スナック昭惠まで行き、助けを求めます。
詐欺にあったお金は戻りはしませんでしたが、スナック昭恵のみんなと、かふうの友人・杏(あんず)と佐藤くんのおかげで、立ち直ります。
スナック昭恵の常連客・ジュンさんから、おひさま色のちっちゃなワゴン(ナンバーが777)をもらい、ドライブに出かけていくのです。
物語の内容は、基本明るく、すこし教科書めいたところもありますが、楽しく読めるものでした。
しかし、愛海が詐欺にあったところで、愛海は引きこもります。
警察にも届けず、誰にも相談もせず。
ふと、鈴木大介 著の新書・「貧困と脳」や「貧困女子」の内容、鈴木大介氏が取材した女性たちのことが頭に浮かびました。
愛海もいっしょなのかもしれない。
スナック昭恵では、お客さんとのお金のやりとりを禁止していて、ママの昭恵はそこは厳しく言っていたそうです。
愛海は「迷惑をかけちゃう」と引きこもってしまうのです。
家では飲まなかったアルコールも飲むようになりました。
かふうも「警察に言えば」と言いますが、そこはやはり、スナック昭恵でのルールのことやお店に迷惑がかかるということの方が優先されてしまい、自分自身を苦しめる結果になっていったのです。
もちろん、物語としては、そのあたりを軽くして、スナック昭恵のメンバーのあたたかい人柄とその好意で、愛海もかふうもハッピーな感じになります。
朝日新聞の「好書好日」のコーナーで紹介されていて、
なんとなく気になった本でした。
小説「ロングウォーク」がツラく、なかなか読み進めないこともあって、
ある意味、横道にそれた・逃げた感じで、この本を読んでみましたが、たしかに本の帯にあるように、幸せな気持ちにはなりました。
でも、やはり、詐欺のこと、詐欺に引っかかったこと、その後の愛海の行動に、やはり気になってしまいました。
警察に訴えたところで、果たして捜査がちゃんと始まるのでしょうか。
犯人が見つかっても逮捕できないとか、お金が戻らない、など、他のドラマでは警察自体が、そう言うシーンをよく見かけます。
現実にも、詐欺にあったらお金は戻らない、と言われているし、
自分自身も恥ずかしながら「エヴァンゲリオン」のTV全話・全劇場版のコンプリートディスク=1万8千円っていう商品を、Amazonで見つけて、ポチッと押してしまいました。
数日後、商品キャンセルの通知が来て、さらに数日後、返金について商品出店者との連絡がつかない旨の連絡がありました。
返金制度の対象でなかったため返金はありませんでした。
1万8千円。よくよく考えれば、商品のサムネ画像もあやしく、出品者も個人名だったような気がします。
そして、普通に考えれば、そのセットで1万8千円というのは、全く現実的でない数字です。
今となっては、それがわかります。
そういう現実を変えろ、と言うことではありませんが、愛海のように大金を失っても、相談もできずにいる状況は、なんとも・・・・・。
警察を批判するつもりもないですし、言ってしまえば「被害者非難」という心理バイアスがかかってしまいます。
そういうことが起きないよう「お金の勉強」とか「リテラシー」をあげることは必要でしょう。
とくに愛海のような境遇の女性においては。
物語中、シングルマザーの、夜の仕事に出ている母親とその子ども問題にも触れる感じで書かれています。
かふうが小2の時に、友達がかふうの家のことを大声で話し、それを聞いた当時の担任は、児相に報告します。
その行為は正しいと思うのですが、結局は、その担任とその児相の担当者の対応によると思うのです。
愛海は多方から責められました。責められて、昼のバイトをはじめたり、学校行事には進んで参加したりしたと書かれていました。
また、未就学児であれば夜間保育所というのもあり、認可の有無も問題でしょうが、とりあえず預けられます。
しかし、小学校にあがれば、預ける先は学童保育所・児童クラブとあります。でも、遅くても8時ぐらいでしょうか、それくらいまでしか預けられません。
そういう問題にも、読めば触れていることは分かります。
それこそ映画「ちいかわ」を見て「ココに気づいたよ」程度でもいいのです。
児童書というジャンルではありますが、「ちいかわ」のようにオトナが読んで(ふれて)みて、「さて、」と考えるのに適しているのではないでしょうか。
主人公かふうが小6女子なので、対象読者は小学校高学年女子なのでしょうか。
その子たちが読んでみて、どんな感想をもつのか、とても興味があります。
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