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脳梗塞日記⑩

8月17日月曜日
朝から頭が重くてなかなか布団から起き上がれない。
これは私の体調日記ではないのだが、いかんせん、
この夏はずっと具合悪く、少し良くなったと思うとまた少し悪化する。
気づけば二週間ほど風邪をひきずっている。

重たい体をヨタヨタ持ち上げて、洗濯物を干し、そのまま朝の参拝へ。
少し涼しくなると蚊が増えてくる。
昨日は神社で祈るだけで4箇所噛まれたが、
今日は一箇所で済んだからまだマシかな?
とはいえ痒い。
こんにゃろう。

それにしても頭が痛くて歯が浮く。
スタバの貴婦人に出会い
「風邪を甘くみたらダメよ」
と強くお叱りを受ける。
娘さんが入院したことがあるらしい。
菌が大腸に飛んだとか。怖いな。

買い物をして一旦帰宅すると、頭痛薬を口に放り込み水で流し込んだ。
また一時に母と約束して面会に行く。
昼間でも気温は29℃をさしていた。
少し暑さも和らいだが曇り空だからかまとわりつくように蒸し暑い。

母も昨日は寝つきが悪かったようだが、不整脈は出てない様子。体調は良さそうで顔色も良い。
とりあえず母が元気だとほっとする。よかった。

父はいつものデイルームにいた。
朝のうちにリハビリを済ませたという。
今日は洗剤までつけて皿洗いをしたとのこと。
そんなリハビリもあるの?びっくり。
日常生活を送れるかどうか、細かい指先までしっかりチェックされているらしい。

やわや、退院が木曜か金曜になった、
どちらがいいかな?と父。
え!もう退院?
何もしてないように思うけど!
唐突の退院宣告に、これまたびっくりする私と母。カテーテルが明後日だというのに、次の日に退院なんて大丈夫なのだろうか?
喜ばしいことなんだけど、逆に心配。
退院前に先生から話を聞いておかなければ。
家族にきちんと話をしてもらえるよう、父からも頼んでくれるとのこと。

父は体調も良さそうで
私と母が持ってきたゼリーやおかき、ジュースを吸い込むようにものの10分くらいで胃に収めてしまった。
食欲があって何よりなのだけど、高齢とは思えぬ早食いのペースに呆気に取られる私と母。
「食事のとき、純平にも怒られた」
と父。
でしょうね、と笑う私と母。

しばらくすると、エコー検査のために看護士さんが呼びにきた。
40分後くらいだろうか、また車椅子に乗せられて戻ってきた父は、また残っていた2袋目のおかきに手をつけようとした。
母とさすがに食べすぎやろ、と笑った。

エコーでは足の様子をチェックしたらしい。
CTなど日々さまざまな検査を日々しているが、
結果はちっとも教えてくれない、と父が苦笑いした。
何か問題があれば呼び出されるだろうから、悪くはないのだと信じるしかない。
しかし本音をいうと
病院も先生も忙しいのだろうけど、命に関わる病なのだからもうちょっとしっかり経過を教えてほしいところだ。

父は日々頭や体が動くようになると、
仕事や友人達のことが気になるようで
様々な場所に連絡したりしていた。
私も先日、父の事業所に電話をしてその一部を手伝ったが
父は不安なようできちんと伝達されているかを何度も確認した。
上司だったらめんどくさいと思う。
すっかりいつもの厳格さ、かつ高速な頭の回転を取り戻していた。

父の歩数計は4200歩を超えていた。
昨日より倍多い。どこにそんな歩く場所があるんだろうと呟くと、今朝は初めて外を歩いたらしい。
日々ステップアップさせてくれている先生方にも感謝である。

お盆明けで、入院患者が一気に増えたようで
父の部屋も賑やかになった。
昨日は誰もいなくてがらんとしていたのだけども。

「患者が増えて元気をもらってるよ」
と父。
「新しい患者さんに元気もらってどうするのよ!」
と母。
それはそう。みんな病人なのよ。
夫婦漫才に笑ってしまった。

「お見舞いに来てくれて助かる」と父。
そう言ってくれるなら何より。
長い人生の中で、家族でこんなゆっくり過ごせる時間が与えられたと思えば、それはきっと悪いことだけではない。
そう思わないとね。

明るい笑顔がお父さんとお母さんに戻って嬉しい。
とはいえ、まだまた油断せず、ゆっくり回復してね。

いつものように母と順番に手を握って病院を後にする。

また2時間くらい滞在したな。
そのうち長いと怒られそう。

そのときはしれっと
あらら気づかなかったとあやまろう。
また明日。


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