いま公示中の官公庁「調査」10件 ― 件名の似た過去案件は、いくらで落札されたか
本誌初の「実務特集」です。いま公示されている案件を、過去の落札データと突き合わせました。
対象は、直近2週間(2026年7月21日〜8月4日)に公示された国の機関の調査・リサーチ・計画策定系の案件60件。このうち、件名のよく似た過去案件が3件以上見つかった10件を選び、「同種の過去案件はいくらで落札されたか」を1件ずつ添えています。
表の読み方を先に。金額は過去の同種案件の落札額であり、今回の案件の予想価格ではありません。仕様も規模も毎回違うためです。書けるのは「件名が似た過去の案件はN件あり、その落札額は◯◯万〜◯◯万円だった」まで ―― それでも、初めて挑む案件の相場観としては十分に役立つはずです。
1. 注目10案件 ― 過去の同種はいくらだったか
選定は機械的です。60件のうち過去例が3件以上ある案件を、過去中央値の大きい順に10件並べました(機関の偏りは調整していません。結果は環境省3・経済産業省2・国土交通省2・総務省/内閣府/厚生労働省 各1)。
・中央値のレンジは2,650万〜3,850万円。「調査もの」と一括りにされがちなこの分野で、億に近い規制関連調査から数百万円の分析業務まで、過去実績には大きな幅があります
・表には過去の主な落札者も添えました(調達ポータルの公開情報)。応札を検討する際、どのような顔ぶれと競うことになるかの参考になります
・過去例の幅は大きく、最小が2桁万円の行から、最大16.8億円(自動運転関連)まであります。この16.8億円のように、件名の近い過去例には規模の桁が違う周辺の大型研究が含まれることがあるので、幅はあくまで「その系譜で過去に起きたことの範囲」としてご覧ください
2. 各案件へのたどり方(締切は原文で)
本誌は締切を掲載していません。国のシステム上、締切情報が機械的に取得できないためです。各案件の詳細と締切は、官公需情報ポータル(kkj.go.jp)で下記の検索語をそのまま検索してご確認ください(全件、実際に検索してたどり着けることを確認済みです)。
1. 事業の効果測定及び事業効果向上策の案出
2. 環境配慮型製品の国際展開促進に係る調査検討業務
3. 新たな特別会計を活用した政策実施の枠組みのあり方に関す
4. 自動車事故による重度後遺障害者に係る支援策
5. 自動運転レベル4申請のデジタル化に向けた調査等業務
6. 詳細環境調査(底質その3)
7. 防災分野の先進技術の開発・導入促進等に向けた調査業務
8. 08-0049-0197 Beyond
9. 適正な外国人材の確保に向けた実態調査
10. 先端技術等の競争力強化に向けた政策検討
なお、経過日数は公示日からの日数という事実のみで、応札が間に合うことを保証するものではありません(参考: 一般競争入札の公告期間は予算決算及び会計令 第74条で最低10日)。


3. 60件の全体像 ― 「前例なし」は15件
直近2週間の60件をすべて突き合わせると、こう分かれました。
・過去例3件以上(相場が語れる): 28件
・過去例1〜2件(参考の域): 17件
・前例なし(新規テーマ): 15件
注目は最後の15件です。件名の似た過去案件が1件も見つからない ―― つまり競合他社もまだ相場観を持っていない新規テーマで、見方を変えれば参入のチャンスでもあります。前例のなさは欠測ではなく、情報です。
4. 方法と限界
突き合わせは件名の語彙一致による機械判定です(汎用語の自動除外+同種判定の品質ゲートつき)。件名が似ていても中身が違う案件が混じる可能性は残ります。また過去落札は国の機関・直近約14か月分に限られます。抽出は本誌の分類基準(継続改良中)によります。
まとめ ― この表は毎週作れます
・いま公示中の調査系60件のうち、10件は過去の同種実績から相場観を添えられた
・15件は前例なしの新規テーマ ―― 相場がないこと自体が情報
・締切と詳細は検索語から原文へ(全件到達確認済み)
この突き合わせは、本誌の自動集計基盤の上で毎週・全件分作れるものです。今号はその第1回として10件をお見せしました。続報の頻度と形は、この号への反応を見ながら育てていきます ―― 続きが欲しい方は、note のフォローでお知らせが届きます。
データソースと方法
・公示: 官公需情報ポータルサイト(中小企業庁)の公開情報から抽出(2026年7月21日〜8月4日・国の機関・調査系役務60件)
・落札実績: 調達ポータル「落札実績オープンデータ」(国の機関)との件名突き合わせ。落札者名は同データに含まれる公開情報です
・抽出・突き合わせは本誌の分類ルール(継続改良中)による機械判定です。個別案件への応札判断はご自身でご確認ください
次号予告
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編集後記
「その案件、過去はいくらだったのか」。応札を検討する時に最初に知りたいこの一点が、公開データを突き合わせるだけで半分は答えられる ―― 第5号までの「市場の地図」から一歩踏み込み、今号から「実務で使える表」に挑戦しています。ご意見・ご要望はコメントでぜひ。
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