それは無理です【毎週ショートショートnote】
龍造は昔の有名作家。
高齢で休載続きだがプライドは昔のままだ。
そんな彼に、ワールドカップ招待状と六月二十日の入場パスが届いた。
妻に荷造りをさせ、龍造は一人モンテレイに向かった。
六月二十日、出版社の江藤が龍造宅を訪れた。妻が応対する。
「あら江藤さん、入場パスありがとうね。主人はモンテレイよ」
「え?『作家ワールドカップ』のパスで?」
作家ワールドカップはベテラン作家の展示や座談会を行う企画だ。
江藤は龍造を招待し、観覧に同行する予定だった。
声をかけないと後で怒鳴られる。
「先生が不在なら帰るか」
江藤はタクシーに乗り、スマホで日本対チュニジア戦を見る。
「ゴーール!」
上田綺世のゴールに喜ぶ観客席。そこに龍造がいた。胸に作家ワールドカップのパス。
「マジか…これで入れるのか」
江藤は自分のパスを見た。
「運転手さん、行先変更。羽田まで」
身振り手振りで大声を出しパスを見せた龍造を、日本のサッカー関係者と思って裏口から入場させた係員がいたらしい。
(415字(ルビ除く))
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#毎週ショートショートnote に参加しました。
お題「作家ワールドカップ」
たぶん江藤さんにはできない技だと思います。
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【今日の画像】イラストACから。
「パス」で検索したと思います(記憶があいまい(^^ゞ)。
わかりやすい!
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