🌱不登校を理解しようとして、現実がぼやけるとき ~1.「出席」という言葉に、私はすがりついていた~
※この記事は
『不登校を理解しようとして、現実がぼやけるとき』
というシリーズの1回目です。
気付けばあっという間に年度末。
なかなか学校に行けない不登校児を抱える親としては、来年度こそは「なんとかしなくちゃ」と、そんな風に思ってしまう時期かもしれません。
私自身も、 何度もそういう年度末を迎えていました。
学年が変われば、
クラスが変われば
先生が変われば
もしかしたらうちの子は学校に行けるようになるかもしれない。
そんな淡い期待を毎度抱いていました。
次男の別室登校
次男は小5から不登校になりました。
コロナの分散登校以降、学級崩壊だった教室は、あまりにうるさく、先生は四六時中怒鳴っていたそうです。
怖い、つらいが蓄積した次男は、ある日突然教室に入ることができなくなりました。
休みが続いた次男に、「教室がダメならこちらを使ってみませんか?」と小学校から提示されたのは「別室」。
長男の頃にはそのような部屋はありませんでした。
給食も別室で食べるし、友達も時々一緒に食べに来てくれる。
担任の先生も時折話に来てくれるし、教科担当の先生も顔を見に来てくれる。
私からすれば「なんてありがたい対応だ」と思っていました。
でも…不登校児の中には、学校の門を見るのも嫌だ、人目につくのはもっと嫌だという子もいます。
次男もそうでした。
そんな子を、教室でないとはいえ、「嫌だ」と言っている環境に連れてくるわけです。
毎回毎回不安で仕方がない次男。
児童の声が聞こえたら、門まで走って隠れることも何度もありました。
…こんな状態でこの子をここに連れてくるのは、本当に正解なんだろうか?
私の心の中にほんのり出てくる違和感を、あえて見ないようにしていたように思います。
ふと湧いてきた疑問
次男は、中学校になっても教室に入ることはできませんでした。
中学校から勧められたのは、市の教育委員会が管轄している「適応教室」。
少人数の子どもたち、学校になじめない子どもたちが集まって、勉強したり、本を読んだり、穏やかに過ごす場所でした。
顔を出して小さな日誌を書けば、学校に出席したのと同等に扱ってくれました。
次男が適応教室に通い始めて何ヶ月か経った頃、中学校の中にも「別室」が 作られるという話が舞い込んできました。
適応教室よりも中学校の方がはるかに家に近い。
担任の先生や友達にもたまに会えるかもしれない。
この「別室」も、登校すれば出席日数をつけてくれるといいます。
だったら中学校の別室の方が通いやすいから良いね!
そんな風に感じました。
近いなら行く回数が増えるかな、そうしたら出席日数が増えるかな、と。
しかし、ふと気づいたのです。
私はなぜ次男を適応教室や別室に連れて行こうとしているのだろう。
あれ?私は出席をつけたいから連れてきていたんだっけ?
教室以外の「居場所」に連れて行く目的
長男が不登校だったのは中学2年~3年。
起立性調節障害の症状が重く、朝は動けず、当然起きられない。
昼以降まで寝てしまう。
電車に乗れたとしても1駅ごとに吐いてしまう…それほど体調の悪い状況でした。
長男の学校には、保健室併設の「学習室」があり、そこに登校すれば出席が付きました。
当時の私は、できるだけ出席を取らせたくて、長男を車で隣県まで送りました。
その間、スーパーの立体駐車場内で待機していたことも何度もありました。
1~2時間、学習室に滞在し、ヘロヘロになった長男が学校から出てくると、それを拾って家に連れて帰る。
そんなことを週に1~2回繰り返していました。
高校生ならば、 出席日数が進級に影響するため、学校に出席をつけていくというのは意味があることかもしれません。
でも当時、 長男は中学生。
出席数はあまり関係なく、そのまま進級もできる状況でした。
でも当時の私は、「学校に連れて行く」ということが最良の選択だと思い込んでいました。
必死すぎて何も見えなくなっていたのだと思います。
次男の中学校に別室ができると聞いた時、あの当時の長男のことを思い出しました。
どうしてあんなに必死になって、出席を取ろうとしたんだろう。
真っ青な顔をしていたのに、半ば無理矢理車に乗せていた…
本当にごめんね。
その時になってやっと私は冷静に見ることができたのかもしれません。
はじめは当然、長男の体調が悪い「起立性調節障害」だから無理をさせてはいけないと、頭では理解をしているつもりでした。
でも、学習室への登校で出席がつくという言葉を聞いた瞬間、私はそれにすがりついていたのです。
教室に入れなくても、別の居場所があって、そこに行けば出席したことになるよ。
その魅力に取り憑かれていました。
だって出席になるんでしょ?
だったらちょっとでも行かないと損じゃない!?
__そんな気持ちが、どこかにありました。
あんなにしんどそうだった長男の体調より、出席に魅力を感じてしまっていました。
繰り返される落とし穴
次男の中学校に別室ができた頃は、もう不登校児の親になってはや何年か経っていました。
幾分冷静な親に育っていたはずの私でしたが、それでもやっぱり、まだまだ必死さの中にいたんだと思います。
だって、私自身は不登校というものについて実感があるわけではありません。大体の不登校児の親はそうだと思います。
自分の子供に何が起きているのか、心の中がどうなっているのか、一生懸命理解しようと必死になっています。
不登校を理解しようとする必死さが、現実を見失わせていたのだと思います。
ベテラン不登校児の親になっていたはずの私にも、まだこんな落とし穴がありました。
不登校を理解しようとしていたはずなのに、
気づけば現実がぼやけていた。
そんな経験は、きっと私だけではないのかもしれません。
次回は、この「ぼやけている状態」を生み出してしまう親の心について、もう少し考えてみたいと思います。
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