その『大丈夫』を、もう少しだけ考えてみる
最近、NISAをされているお客様との面談で、
つい聞き直したくなる言葉がある。
「下がり局面をどう考えていますか?」
そう聞くと、
「1万円が9,000円になる程度だから大丈夫です」
「銀行でNISAをやっているから大丈夫です」
「結果的にはプラスになるんでしょ?」
……。
一瞬、言葉を失ってしまう。
きっと、本人は悪気なく、本当に「大丈夫」だと思っている。
でも、その「大丈夫」は、何を根拠にしているんだろう。
10%下がっても大丈夫ということなのか。
30%下がっても持ち続けられるということなのか。
それとも、そもそも株式がどのくらい動くものなのかを知らないのか。
「長期で持てば大丈夫」という言葉だけが、一人歩きしているように感じることもある。
一方で、債券の話をすると、反応がまったく違う。
債券そのものや、債券を使った保険商品を説明するときには、金利や為替が動いた場合のシミュレーションなど、かなりリアルな数字をお見せすることになる。
保険商品だからこそ、設計書というものがある。
そこには、
+◯%に動いたら、−◯%に動いたら、
と仮定した将来の数字の推移シミュレーションをみることができるわけだ。
すると、
「こんなに動くなんて嫌です」
「為替とか難しいです」
「元本保証もないんですよね?リスクが高いのは嫌です」
という言葉が出てくる。
もちろん、その感覚はおかしくない。
数字で具体的に見せられれば、「思っていたより動くんだ」と怖くなるのは当然だと思う。
でも、ふと考える。
「……NISAで株式を持っていますよね?」
NISAで持っているものが株式なら、株価だって大きく動く。
為替の影響を受ける商品なら、為替だって動く。
元本保証ではない商品なら、もちろん元本割れの可能性もある。
なのに、NISAでは「大丈夫」。
債券や保険商品の説明になると「リスクが怖い」。
この違いは、もしかしたら「リスクを取れる・取れない」の違いではないのかもしれない。
知らないから、怖くない。
逆に、
具体的な数字を見たことで、初めてリスクを実感した。
そんなこともあるのではないかと思う。
私は面談をしていて、
「この人はリスクを取れる人なのか?」
だけではなく、
「この人は、どこまでのリスクを理解したうえで取っているんだろう?」
と考えるようになった。
リスク許容度と、リスク認識は同じではない。
本当は怖いのに、怖さを知らないままリスクを取っていることもある。
だからこそ、
「NISAだから安心」
「長期だから大丈夫」
という言葉だけではなく、
「もし半分になったら、どうしますか?」
と、具体的にイメージしてもらうことも大切なのだと思う。
もしかしたら私自身も、以前は「大丈夫」と思い込んでいたことがあるかもしれない。
だからこそ、面談で出てくる何気ないひと言に、
「それって、本当に大丈夫なのかな?」
と、立ち止まって考えるようになった。
投資は、何を選ぶかだけじゃない。
自分が何を理解して、どこまでなら受け入れられるのか。
そこまで考えて、初めて「自分に合った運用」になるのだと思う。
お金の知識を増やすことも大切ですが、それ以上に『自分に合った選択』を見つけるお手伝いができたら嬉しいです🍀
