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国宝の中の国宝「大包平」

童子切安綱と共に刀剣界の横綱と称される大包平がトーハクに展示されているというので見てきました。
大包平は古備前包平の作で、この平安時代末期頃の作は基本的に細身で優美な作が多いのですが、大包平は包平の作としては珍しく長大で、なんと刃長は89.2cmもありかつ身幅も広く大きいです。故に大包平と。享保名物帳にも「寸長ク大キナル故名付」とあります。

さぞ重かろうと思いきやwikiによれば1.35kgしかないらしい。
wikiには薄造りと書いてあるが、横から見た感じそこまで薄造りにも見えない気もするが気のせいだろうか。調べたら重ね7.5mmとあるのでそこまで特段薄くないようにも思う。樋を搔いているのでその分手持ちが良いのだろうと想像される。

こう見ると特段薄いようにも見えないが気のせいだろうか


それにしても反り姿のなんと美しいことか。童子切もため息が出るほどに美しいが大包平もやはりため息が出る。

更に驚くべきは地鉄の潤い具合と詰んだ宝石のような輝きではないだろうか。刀剣用語を使うのであれば小板目肌に地沸厚く微塵に付いた精良な地鉄、とでも言うべきだろうか。

上の方に目を移動しても小板目肌が均一で大肌が出るところもなく出来ているのも個人的な感動ポイント。

刃文は小乱れになる部分、小丁子が交じる部分がある。
映りも写真では確認しづらいが淡く出ている。地斑らしい地斑にも見えないが時代的に地斑映りだろうか。

部分拡大

帽子は刃がたっぷりと残っており流石の健全度がある。

更に目を引くのはこれだけの名刀であるにも関わらず粋なのは銅鎺(はばき)が付いているということ。

現在トーハクに展示されている刀剣類でお大包平以外全て金鎺という事からも分かるように普通これだけの名刀であれば間違いなく金無垢ハバキがどこかのタイミングで付けられるのです。(勿論実戦で使われているような時代は鉄鎺や山銅鎺などだったと思いますが)
銅鎺は現在でいえば安価な刀剣に付けられる事が多いものの、そうした鎺にも関わらず隠しきれない圧倒的なオーラが出ているのが凄すぎます。
鎺で格を上げるように見せる必要などなし!刀が語る!と言わんばかり…。
正にそうした所が大包平の凄さでもあるのかもしれませんね。

そういえば茎について分からない点が1つ。下の大きな欠けの部分をよく見てみるともともと四角い目釘孔が開いていたようにも見える。

すると以下のような配列になるが他ではあまり見ない面白い目釘孔の位置であるような気がする。大太刀など2点で止める場合もあるのでそうした用途だろうか。ただ位置が刃側に寄りすぎている気もし、俵鋲を雉子股茎にせずに避ける為の工夫だろうか。(若干雉子股になっているようにも見えますが)


ということで圧倒的な美しさに触れる事が出来て本当に良き1日でした。
そして相変わらずトーハクは行くと名品ばかりであっという間に時間が過ぎてしまいますね。気になったものを順次このブログでもメモとして残していきたいと思います。



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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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