【ドラマ感想】人間ってそうかもしれない「九条の大罪」


「九条の大罪」(監督・土井裕泰、山本剛義、足立博  / 脚本・根本ノンジ

★★★★☆(星4つ)

原作未読。
完全に「地面師たち」みたいな極悪人をこれでもかというくらい徹底的にそのまま露悪的に描くエンタメクライムサスペンスみたいなものかと思っていたけれど、全然違ってました(;'∀')
いや、それがむしろよかった(「地面師たち」がダメということではない)。

主人公の九条間人はいわゆる「ダークヒーロー」みたいな言われ方をされると思うけれど、そういう明確な黒という感じではない(ように私には見える)。
というか、
烏丸真司の台詞で
「いいとか悪いっていうのは 何を基準に言ってるの?」
というものがあったけれど、
この作品って、善悪とか正誤とかをハッキリ描くというよりも
九条を含めて人間そのものと、我々が生きている世の中そのものにフォーカスをあてているように見えます。
そこで目にするものは真っ黒や真っ白やいい人やわるい人が混然一体となってめまぐるしく動き回っているような・・・・だから九条はダークとかヒーローという感じではないと思いました。

また、世の中そのものにフォーカスしているけれど、意外と露悪的には描かれていいないなとも思いました(原作はわからないけど)・・・・
こういう系統の作品ってともすれば、
残酷な場面をごまかさないでそのまんま描く・・・・例えば雫の話だったりすると性交の場面とかをがっつり映したりとか、暴力の場面を執拗に描いたりとか、そういう演出がなされがちだけれども、今作品はそういった場面も控えめだったように思います(←あ、あくまで私の尺度です)
それがよかった。

善と悪・弱者と強者・複雑と単純が混在している、
そんな世界に、自分の見える範疇にはなくとも実は存在しているあんな事やこんな人たち。
この物語を見ていると自分とは関係ないことなんて何もないのだと思わされます。
そして自分もいつ何に巻き込まれるかわからないし、理不尽な状況に陥った時に、九条は一体、私にとって人権派の弁護士になるのか、悪徳弁護士になるのか・・・・そういう危うい世界に私たちは生きているのだなぁとちょっと怖くなったりもします。
でもそれが我々が生きている人間社会というものでもあるのですね。
だとしたら、今、平穏に生活できている身でいるうちは少しでも弱い人たちに寄りそう自分でありたいとも思いました。

九条は柳楽優弥さんの素晴らしい演技と相まって
私たちの考える善悪とは別のベクトルを生きているんだとひしひしと感じることができ、でも味方になりたくなる魅力ある人物に描かれています。
本当に素晴らしい。
お目当ての松村北斗さんは役を生きているというか相手の方と自然に会話するという技!?が相変わらず抜群。
喫茶店の隣の席にいてもおかしくないような物語の世界に溶け込む佇まいは演技の才能と努力の賜物ですね。
役者に関しては、他のご出演者の評判はすでにあちこちで話題になっているので割愛しますが、あとおひと方だけ。
私、アイドルを好きになるまでTVをほとんど見ていなかったので、
町田啓太さんを存じなかったのです(すごい驚かれる(;´∀`))
こんなに素敵な方がいらっしゃるとは・・・・。
これから注目していきたいです。

続きが楽しみなシリーズでした!



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集