人が死なないミステリーを、今の私は求めている――『珈琲店タレーランの事件簿』読書記録
2026年8月読了。
最近、書店で本を買うときは、平積みになっているものの中から選ぶことにしている。
今回、その中で「珈琲店」という文字に惹かれて手に取ったのが、『珈琲店タレーランの事件簿』だった。
人が死なないミステリーシリーズも好きで、最近はこういうジャンルをよく読んでいる。
これは京都を舞台にした物語で、ご当地ならではの描写も多い。京都が好きな私には、それも嬉しい本だった。
前半は淡々としていて、少し淡白かなと思ったが、後半になると登場人物たちの人間模様が見えてきて、面白さがぐっと増した。
ただ、この本には「『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉」と書かれていた。
選考の段階では、ほかの要素はどれもよいのに、ミステリー部分が弱く、受賞には至らなかったとのこと。
いや、これ。「このミステリーがすごい!」大賞なら、ミステリー要素が弱いのはあかんのでは???
と思ったのは、私だけだろうか。
その後、大幅に加筆修正されて今の形になったということなので、それはそれでいいのかな。
続編がすでに何冊も出ている。これからも読んでいこうと思える面白さだった。
よく見ると、最近の私の本棚には「このミステリーがすごい!」シリーズがほかにも並んでいる。
どうやら、このシリーズは私に合っているのかもしれない。
そして最近の私は、人が死なないミステリーに惹かれている。
謎は解きたい。
けれど、人が死ぬことや、そこにまつわる怨念や憎しみなどの重い感情に触れるのは、少しつらいのだ。
今の私は、謎を楽しみながら、人の心も味わえる物語を求めているのかもしれない。
