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MME:マルチメディア前夜、Windows 3.0がもがいていた時代

Windows 3.0がアメリカで登場した1990年。この時点でのCPUパワーは、まだ「GUIを動かすのが精一杯」という状態でした。何をするにもゆっくりとしたテンポが必要だった、そんな時代の泥臭くも熱いお話です。

Windows 3.0が変えた世界。MS-DOSの「壁」と、統合ソフトの覇権争い

圧倒的だった「Mac OS」の背中

これに対抗していたMacintosh(Apple)は、それまでの高価格路線をガラリと修正。1,000ドルを切る「Classic」や、家庭向けの「LC」などを市場に投入してきました。当時のMacが凄かったのは、標準で「マイク」が同梱されていたことです。 自分の声を録音して再生する――。これをHyperCardと組み合わせるだけで、私たちは「未来」を強烈に体験できたわけです。

さらに、この頃にはAdobeからPhotoshopも登場。PC互換機を一気に引き離しにかかっていました。

「WYSIWYG(見たままを表現できる環境)なら、やっぱりMacしか無いでしょ!」

私の発言^^;

急遽、投入された「MME」という拡張パック

ちょうどこの頃、パソコンに接続できる「CD-ROM」が普及し始めていました。この大容量メディアを活かすために、PCには「音や画(グラフィック)を扱う能力」が急速に求められるようになります。日本でいえば、初代「FM-TOWNS」の発売が1989年。あの鮮烈なマルチメディアマシンの登場に、業界は騒然としていました。

そこで1991年、Microsoftが急遽投入したのが、Windowsの拡張パックであるMME(Multi Media Extension)でした。

これは、Windows 3.0に追加のドライバーやいくつかのアプリを同梱し、マルチメディア用のAPIを拡張したものです(以降のバージョンでは標準機能となります)。 なお、日本ではWindows 3.0自体のリリースが(いつものように)遅れたため、この拡張キットは単体発売されず、のちの「Windows 3.1」にそのまま組み込まれる形になりました。

動画は無理でも、アイデアで戦った当時のスペック

MMEで拡張されたのは、主に「CD-ROMへのアクセス機能」「サウンド」「高精度タイマー」などでした。しかし、残念ながら動画に関してはCPUが非力すぎて、まだ実用レベルには程遠い状態。静止画を使ってパラパラマンガのようなアニメーション(※当時の主要形式だった「MMM形式」など)を動かすのが精一杯でした。

【当時の懐かしフォーマット:MMM形式】

  • 拡張子: .MMM(MacroMind Director アニメーション)

  • 概要: 動画のように全フレームのピクセルデータを保持しない「ベクター/ドット絵」のデータ。データ量が非常に軽いため、当時の低スペックPCでも滑らかに動いた、涙ぐましい技術の結晶です。

「サウンド」の主役はサウンドブラスターへ

サウンドに関しても、CPUの処理だけでなんとかなるものではありませんでした。そのため、当時はBGMを鳴らすのにも「MIDI」を使うことが多かったです。ここで一気に市場へ食い込んできたのが、PC互換機向けの拡張カード「Sound Blaster(サウンドブラスター)」でした。

ただ、当時の記憶を呼び覚ますと、WindowsのサウンドAPIはまだまだキビキビと音を鳴らせるほどのパフォーマンスはありませんでした。 音が鳴り始めるまでに「微妙な間(ラグ)」が空いてしまうため、一分一秒を争うゲームなどではお世辞にも使えるレベルではなく、当時のコアなゲーマーたちは、まだまだ「MS-DOS」の硬派な世界でプレイを続けていたものです。

黒船「QuickTime」の衝撃、そしてWindows 3.1へ

そんな混沌とした1991年12月、Macintosh向けに「QuickTime」がリリースされます。画面サイズはアナログテレビにも劣る小さなものでしたが、「特別なハードウェアを拡張しなくても、OS標準で動画がそのまま動く」というのは、当時のPC業界に凄まじいインパクトを与えました。

こうして、Windows陣営もバタバタとマルチメディアへの対応を謳い、大ヒット作となる「Windows 3.1」のリリースへと時代は突き進んでいくことになります。

Windows 3.0 MME... actually has a startup sound (and more!)

Windows 3.0 with Multimedia Extensions 1.0

【完全版】MIDI音源9台!Windows 3.0 MMEの音を聴く!歌猫ヒロ SongCat Hiro

MS-DOSの「狭間の時代」を駆け抜けて

いま振り返ると、この「OSがマルチメディアを標準サポートするまでの狭間の時代」の日本は、最高にエネルギッシュで面白い空間でした。

MS-DOSという限られた環境の上で、信じられないほど多くの独自な画像・サウンドフォーマット(MAG、MAKI、Q0、MH2……など)が登場し、みんなで試行錯誤しながら楽しんでいました。 パソコン通信のライブラリを開けば、有志が作ったマルチメディアプレイヤーやエディタ、そしてそれらを駆使した自作コンテンツが百花繚乱、まさに花盛りだったのです。

あの、ハードウェアの限界をアイデアと技術でこじ開けていた時代の熱量が、時々無性に懐かしくなります。

NotebookLMによるインフォグラフィック

NotebookLMによるスライド資料

NotebookLMによるまとめ記事

ショート動画

NotebookLMによる解説動画

NotebookLMによる音声解説

ヘッダ画像は Gemini の作。

#Windows #Macintosh #レトロPC #MSDOS #マルチメディア #パソコン通信 #テクノロジー #90年代


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