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【フロッピーディスク救出劇】GCR方式・ZBR方式の壁と、現代にデータを引き上げる裏技

今はもう見ることも無くなってしまったフロッピーディスク。 でも昔は、パソコンを動かすのになくてはならない超・必須アイテムでした。大きさだけでも8インチ、5インチ、3.5インチなど様々。 「同じサイズならどのドライブに入れても読めるでしょ?」と思いがちですが、実は全然そんなことはありません。

「OSの違い」と「物理フォーマットの違い」

同じ機種でも、データの管理方法(論理フォーマット)がOSによって違えばそのままでは使えません。ただしこの場合は、直接セクターを読み書きしてデータをいじることはできます。

本当の絶望は「物理フォーマットが異なる場合」です。専用ドライブがない限り、手も足も出なくなります。

3.5インチでは、PC-98の「1.2MB」とIBM PCの「1.44MB」(+720KB)の両方に対応した「3モードドライブ」が普及し、データ交換ができました。しかしこれはかなり幸運な例外です。

💡 3モードドライブという例外

昔のPCはハードウェア自体が異なり、それぞれ独自のOSで動いていたため、「フロッピーで他機種とデータ交換する」という発想自体がありませんでした(必要な時はシリアルケーブルで直結!)。そのため物理フォーマットも独自規格のオンパレード。例えば Apple II は、ソフトウェアで直接ビット単位で読み書きする超独自フォーマットを採用していました。

PET 2001のフロッピーが変態的だった理由

コモドールの PET 2001(および後継機)で使われた5インチドライブも、現代のPCとはまったく異なる独自仕様でした。一番の特徴は、現在のPCのような「固定セクタ方式」ではなく、「GCR方式」と「ゾーンビット記録(ZBR)方式」を採用していたことです。

1.物理フォーマットの特徴

  • ゾーンビット記録(ZBR: Zone Bit Recording) 一般的なディスクは内周も外周も1トラックあたりのセクタ数が同じです。しかしPETは「外周の方が面積が広いんだから、外側のトラックほどセクタを詰め込めば容量が増えるのでは?」という理屈で、外周に多くのセクタを配置しました。

  • GCR(Group Code Recording) 4ビットのデータを5ビットの磁気パターンに変換して記録する符号化方式です。

【トラックとセクタの構成(CBM DOS 1.0 / 2.0共通)】 全35トラックあり、ゾーンごとにセクタ数が変わります。

  • 総セクタ数: 1面あたり 683セクタ

  • 1セクタのサイズ: 256バイト

2. ディスク内部の秘密(第18トラック)

CBM DOSでは、全35トラックのちょうど真ん中にある「第18トラック」を管理専用領域にしていました。磁気ヘッドの移動距離を最小限にするための賢い設計です。

  • セクタ0(BAM): どのブロックが空いているかを管理するマップ&ディスクID

  • セクタ1〜17(Directory): ファイル名やサイズを記録する目次領域(最大144ファイル)

ドライブ自体が「ほぼパソコン」だった

このドライブ、本体とは背面の IEEE-488(GPIB) ポートで接続するのですが、なんとドライブ側にCPU(MOS 6502)とDOS ROMを搭載していました。パソコン本体のCPUやRAMに負担をかけず、ドライブが独立して読み書きを処理する画期的な構造……! (ただし、そのおかげでめちゃくちゃ高価でした)

トラックごとにセクタ数が違うと回転数やタイマ制御が複雑になりますが、PETは「ドライブにCPUを持たせる」ことで力技で解決したわけです。コストダウンが優先された結果、他社でこの方式が広がることはありませんでした(Apple IIでさえ全トラック同一セクタ数です)。

現代のPCでPETのフロッピーを救出する方法

当然、こんなフロッピーが出てきても現代のPCでは読めません。本体が残っていなければ宝の持ち腐れ……と思いきや、レトロPC界隈の猛者たちが専用の救出装置を開発しています。

① ZoomFloppy(ズームフロッピー)

コモドール専用のドライブ制御デバイス

  • 仕組み: 現代のPCと「コモドール実機ドライブ(1541やPET 2040など)」を接続。通信規格を変換して実機ドライブにディスクを読ませます。

  • メリット: 純正ヘッドと制御ICを使うため、エラーが少なく一番確実。書き戻しもスムーズ。

ZOOMFLOPPY

② Greaseweazle(グリースウィーゼル)

汎用磁気流(フラックス)キャプチャーデバイス

  • 仕組み: コモドール実機ではなく、一般的な「PC用5.25インチFDD」を接続。磁気の変化(パルス)をナノ秒単位の超高精度でそのまま生デジタルデータとして丸ごと吸い上げます。

  • メリット: 安価なPC用ドライブが使える。コモドールだけでなく、PC-98、FM-7、X68000、Amiga、Apple IIなど世の中のほぼ全てのフロッピーに対応!プロテクトにも強いです。

  • 注意点: 生データ(.scp等)からディスクイメージ(.d64等)への変換作業や、ドライブ回転数の調整(300rpm↔360rpm)が必要です。

強引な救出ルートはあるものの、ディスクにカビが生えていたりするとハードルはかなり高めです……。

keirf/greaseweazle

初代Macintoshの「スタイリッシュな3.5インチ」も変態仕様だった

ご存じの方も多いと思いますが、初代Macintoshのあのスタイリッシュな(そしてフリーズすると取り出せなくなる<笑>)3.5インチフロッピーも、互換性を無視した特殊フォーマットでした。

独自の可変速度回転(ZBR+GCR)

初代Macの400KBフロッピーは、普通のPCドライブでは逆立ちしても読めません。

  • 可変速度回転(ZBR): 普通のドライブは回転速度が一定(CBR)ですが、Macは内周では速く、外周では遅く回転速度を5段階に変化させていました。

  • セクタ数の変化: 外周に行くほど1トラックのセクタ数を増やしていました(内周12〜外周22セクタ)。

  • 400KBの大容量を実現: 他社が片面320KB〜360KBだった時代に400KBを実現!しかし、Apple独自の「IWM」チップに依存していたため、普通のドライブでは同期が取れません。

現代のPCで初代Macのデータを救出するには?

現代のUSBフロッピードライブに入れても「未フォーマット」と表示されて終わります。救出方法は以下の3つ。

  1. Greaseweazle などの特殊ハードを使う PC用3.5インチドライブを繋ぎ、磁気ローデータを吸い上げてMac用イメージ(.dsk / .img)に変換。

  2. オールドMacを「中継機器」として使う 400KB対応のオールドMac(Mac PlusやSEなど)で Disk Copy 4.2 を使いイメージ化。それをシリアル通信やネットワーク経由で現行PCへ送信。

  3. 吸い出したデータをエミュレータで開く Mini vMac などのエミュレータを使ってイメージをマウントすれば、当時のファイルを取り出せます。

データ救出は「動くうち」に!

古いレトロPCのフロッピーからデータを救出するのは本当に大変です。データさえPCに吸い出してしまえば、フォーマットの解釈はどうとでもなります。しかし、「物理的に読み出せない」「ドライブがない」状態になってしまっては手遅れです。

そういえば最近、古いSCSIのハードディスクが発掘されたのですが……たとえ動いたとしても、今やSCSIインターフェース(しかも、どのSCSIだ!)を持つPC自体が存在しないんですよね(泣)。使わなくなった旧世代のデバイスがある方は、「今のうちに最新メディアへ全データを移しておく」ことを強くおすすめします!(自戒を込めて)

NotebookLMによるインフォグラフィック

NotebookLMによるスライド資料

NotebookLMによるまとめ記事

ショート動画

NotebookLMによる解説動画

NotebookLMによる音声解説

ヘッダ画像は、Gemini に描いてもらいました。

#レトロPC #フロッピーディスク #Macintosh #PET2001 #Greaseweazle #コモドール #Apple #ハードウェア #テクノロジー #データ救出


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