名古屋で小林信彦のバラエティブック2冊買う
きょうと明日は、私用で名古屋に行く。用事があるのは明日で、前乗りのきょうは名古屋を散策することにした。
出張で名古屋に来ることは少なくない。だけど、東京からそこまで時間がかからないので日帰りのときが多い。泊まりだとしても、自由時間の余裕がなかったりする。そのため、名古屋駅周辺しかあまり知らない。きょうはいろいろ歩き回りたいと思う。
11時過ぎの新幹線に乗り、名古屋についたのは13時前だ。新幹線駅構内のきしめん屋は長蛇の列なのでパスすることにする。駅前に柳橋市場という場所があってお魚が美味しい店があると記憶していたので、そこへ向かおうとする。
が、しまった。駅の逆側に出てしまう。仕方なく韓国料理屋に寄った。
食後は、ジュンク堂書店をのぞく。このジュンク堂はワンフロアなので見やすい。もちろん、百貨店のように大きなジュンク堂も好きなのだけれど。
名古屋で古本屋があるのはどこだろう、と調べると名古屋大学のある鶴舞に何軒かあるらしい。古書会館もあって月に一度一般向けの古書市もやっているようだけれど、残念。先週の開催だった。
鶴舞にある2軒の古本屋をみて回る。一つのお店で、小林信彦の「東京のロビンソンクルーソー」「東京のドンキホーテ」があるのに目が止まる。
この2冊はバラエティブックの元祖と言える存在だ。バラエティブックとは、多様なコラムやエッセイが収録されていて、それぞれの原稿に適したかたちでいろんな段組みで表現されている本だ。スクラップブックのようで眺めるだけで楽しい本である。植草甚一のコラム集が有名で、こうしたバラエティブックは晶文社から何冊か刊行されている。
小林信彦のこの2冊は古本のなかでも人気が高く、相当傷んでいても一万円くらいする。とても読みたいけれど、高いので私の書棚に並ぶことはないだろうと思っていた。
それが、「東京のロビンソン・クルーソー」がカバーなしとはいえ、1000円、「東京のドン・キホーテ」がカバーに水染みがあるとはいえ、2800円だ。予想だにしない展開で胸が高鳴る。
手に取ったあと、この2冊を買ってしまったら、古本屋をめぐる楽しみがかなりなくなってしまうのではないかとふいに不安になる。いや、そんなことはないし、何より中身が読みたいだろうと思い直し、レジに向かう。こんな不自然な考えが去来するほど、急な展開でドギマギした。この文章を書いているいまも少しどきどきする。
誰かがAmazonの時代であっても、よい本と巡り合うには足を使わなければいけないと書いていた。まさにそのとおりだ。
そのあと、古本屋のある大通りをずっと大須観音のほうへ向かうと、大きな交差点近くに古本屋がまた2軒あったので、みて回る。
名古屋では古本屋に計4店みて回ったのだけれど、先日購入したヤン・コットの「われらはシェイクスピアの同時代」を2冊見かけた。名古屋の古本屋の層が厚い。
また機会があったら、名古屋の古本屋を覗くのが楽しみだ。
