流れ星空港|毎週ショートショートnote(408字)
── 流れ星空港 ──
夜の深みに浮かぶ屋根の上は、
流星を迎える空港だ。
少女の仕事はそこに届く星の荷物をさばく地味な作業。けれど遅れれば世界は少しだけ狂ってしまう。

夜空を見上げた少女は、落ちてくる光の軌道に眉をひそめた。星の並びをなぞり、黒天へ息を吹きかける。
ねえ神様
あの子へ届けるのこれじゃないでしょ?
あ、やっぱり順番がごちゃごちゃ

鹿の背へ飛び乗ると、一すじの光となって夜空を滑り民家の屋根に着地した。

部屋へ忍び込むと、熱にうなされる男の子と大きなクマのぬいぐるみ。お空のおばあさまから届くはずの「健やかな眠り」と誤配送されていた。

指先を回すと、青い光がクマを包み、抱き枕サイズへ縮んだ。

柔らかな毛並みに陽だまりの温もりが宿る。抱きしめた男の子の頬から赤みが引き、安らかな寝息が聞こえてきた。

ふたつくっつけちゃった
あとはそっちでうまくやってよね
どこかしらに報告をしたあと、
少女と鹿の影は静かに夜の闇へ溶けていった。

こちらの応募作品になります。
田原にかさん、
素敵なお題をありがとうございました🥰
