透けるくらいがちょうどいい
ふとした瞬間に、
昔の自分を思い出すことがある。
「あのとき、なんであんなことをしたんだろう。」
「もっと違う選択ができたんじゃないかな。」
そんな考えが頭をよぎって、
少しだけ心が曇る。
以前の私は、
その気持ちを何とかしようとしていた。
理由を探したり、納得しようとしたり。
でも最近は、
少し違う見方ができるようになってきた。
もしかしたら、
これは自分を責めるためではなく、
「まだここにあるよ」と
教えてくれているだけなのかもしれない。
そう思ったら、
無理に手放そうとしなくてもいい気がした。
やわらかい布で、そっと包むように。
見えなくするほど厚い布ではなくて、
向こう側が少し透けるくらいの薄い布で。
そこにあることは知っている。
でも、
もうずっと握りしめていなくても大丈夫。
時間が経てば、
風に乗ってふわりと
飛んでいくこともあるだろう。
過去の自分は、
そのときなりに精一杯だった。
今だから「こうすればよかった」と思えるのは、
そのぶん経験を重ねてきたから。
だから昔の自分を、
今の物差しだけで測らなくてもいい。
全部を許せなくてもいい。
忘れられなくてもいい。
ただ、
「あの頃もよく頑張っていたね」と、
小さく声をかけられるくらいで
十分なのかもしれない。
最近は、そんなふうに思っている。
Keika
