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「あなたはここにいていい」

劇団四季の『キャッツ』を観ると、

毎回不思議な気持ちになる。
 
猫の話である。
 
でも猫の話ではない。
 
結局、

人間の話なのである。
 
キャッツには様々な猫が出てくる。
 
若い猫。
 
強い猫。
 
人気者の猫。
 
失敗した猫。
 
年老いた猫。
 
それぞれが歌う。
 
踊る。
 
自分を表現する。
 
そして最後に、
 
誰が選ばれるのか。
 
という物語になる。
 
私は昔、

この作品を観た時、

ただのミュージカルだと思っていた。

 
でも大人になってから見ると、

全く違って見える。
 
人は、

認められたいのである。

 
仕事でもそう。
 
SNSでもそう。
 
家庭でもそう。
 
誰かに、
 
「あなたはここにいていい」

 
と言われたい。
 
だから頑張る。
 
努力する。
 
結果を出そうとする。
 
キャッツに出てくる猫たちも同じだ。
 
みんな自分の物語を語る。
 
私はこう生きてきた。
 
私はこんな存在だ。
 
私を見てほしい。
 
私を知ってほしい。
 
そう叫んでいる。
 
そして観ていて気づく。
 
人は成功したいのではない。
 
本当は、

理解されたいのである。

 
認められたいのである。
 
愛されたいのである。
 
だから『メモリー』があれほど心に刺さる。
 
若さを失った猫。
 
居場所を失った猫。
 
かつて輝いていた猫。
 
その猫が歌う。
 
「あの頃を覚えていてほしい」
 
これは猫の歌ではない。
 
人間の歌である。
 
誰だって、

人生のどこかで思う。
 
自分は価値があったのだろうか。
 
自分は誰かの記憶に残るのだろうか。
 
自分は愛されていたのだろうか。
 
だから涙が出る。
 
キャッツが40年以上愛されている理由は、

猫が可愛いからではない。
 
そこに、

人間の根源的な願いが描かれているからだ。

 
認められたい。
 
理解されたい。
 
愛されたい。
 
そして最後に、
 
「あなたはここにいていい」
 
そう言われたい。
 
人生とは、

その言葉を探す旅なのかもしれない。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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