「戦争を、一番避けたかった男。」
映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』を観た。
山本五十六と聞くと、
真珠湾攻撃を指揮した人物という印象を持つ人は多い。
私もそうだった。
しかし、
この作品が描いていたのは、
そのイメージとは少し違う山本五十六だった。
彼は、
誰よりも戦争を知っていた。
アメリカへ留学し、
国力の差を肌で感じていた。
だからこそ、
開戦に最後まで反対した。
戦争になれば、
日本は勝てない。
その現実を、
誰よりも理解していたのである。
それでも、
一度戦争が始まれば、
軍人として責任を果たさなければならない。
その葛藤が、
この映画には静かに描かれていた。
最近、
知覧特攻平和会館へ行き、
『ホタル』を観て、
そしてこの作品を観た。
戦争を題材にした作品は、
どれも共通している。
英雄を描いているのではない。
人間を描いているのである。
迷い、
苦しみ、
悩み、
それでも自分の立場を全うしようとした人たち。
だから胸を打たれる。
特に印象に残ったのは、
世論の怖さだった。
映画では、
新聞が戦争をあおり、
国全体が熱狂していく姿が描かれる。
冷静な意見は、
弱気だと批判される。
空気が、
正しさよりも優先されてしまう。
歴史を学ぶほど、
戦争は一人の独裁者だけで始まるものではないと感じる。
社会全体の空気。
感情。
世論。
それらが積み重なり、
止められなくなってしまう。
今年3月、
私はドバイで戦争の緊張を経験した。
平和は、
決して当たり前ではない。
だからこそ、
戦争を知る人たちの言葉に耳を傾けたい。
知覧で命を散らした若者たち。
対馬丸で未来を奪われた子どもたち。
そして、
戦争を避けようと最後まで努力した山本五十六。
立場は違っても、
彼らが願っていたものは、
きっと同じだったのではないだろうか。
戦争に勝つことではない。
平和の中で、
人が普通に生きられる未来。
その願いを忘れないことが、
今を生きる私たちにできる、
何より大切なことなのだと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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