「考えます」で終わる人、だいたいしゃべりすぎ
個別相談や商談の最後に、
「少し考えます」
と言われることが増えているなら、説明が足りないのではなく、むしろ話しすぎているのかもしれません。
高額商品を扱っている人ほど、ここを間違えやすいです。
商品に自信がある。お客様にちゃんと価値を届けたい。納得して申し込んでほしい。
だからこそ、丁寧に説明したくなる。
実績も、サポート内容も、特典も、お客様の事例も、不安を消そうとして、さらに説明を足す。
その気持ちは、すごく分かります。
でも、実は説明を増やすほど、お客様の心は遠ざかっていきます。
「考えます」は、情報不足ではない
多くの人は、「考えます」と言われると、
「まだ伝わっていないんだ」
と思います。
だから次の商談では、もっと説明しようとする。
資料を増やす。スライドを増やす。事例を増やす。話す時間を増やす。
でも、成約率は上がらない。
むしろ、お客様は途中から目が泳ぎ始める。
うなずいてはいる。でも、どこか遠くを見ている。一見、反応は悪くないのに、前のめりではない。
商談がそんな状態なら、すでにお客様の気持ちは少しずつ離れ始めています。
お客様は情報が足りなくて迷っているのではありません。
多くの場合、迷っている理由は、
「自分に本当に必要なのか」
「今、申し込む意味があるのか」
「この人は自分のことを分かってくれるのか」
ここが腹落ちしていないからです。
説明されるほど、人は観客になる
僕はマジシャンとして、11年人前に立ってきました。
そこで学んだことがあります。
全部見せると、人は驚かない。
全部説明すると、人は前のめりにならない。
マジックは、余白があるから見たくなるんです。
「次に何が起きるんだろう」
「どうなるんだろう」
「今、何が起きたんだろう」
この心の動きがあるから、観客は前のめりになります。
商談も同じです。
売り手が全部話しすぎると、お客様は参加者ではなく観客になります。
ただ聞く人になる。ただうなずく人になる。ただ情報を受け取る人になる。
でも、人は受け取るだけでは動きません。
自分の中から、
「それ、私に必要かもしれない」
という感覚が生まれた時に初めて動きます。
高額商品は、説明ではなく納得で動く
高額商品が決まる時、お客様は細かい情報だけで決断しているわけではありません。
もちろん、内容や実績は大事です。
でも最後に動く理由は、もっと深いところにあります。
「このままだとまずい」
「本当は変わりたい」
「一人では難しい」
「この人なら分かってくれそう」
「今、向き合った方がいい」
ここがつながった時に、人は前に進みます。
つまり「考えます」は、情報不足のサインではありません。
納得不足のサインです。
情報は届いている。説明も理解している。でも、自分の現状と商品がまだつながっていない。
だから、止まるんです。
沈黙を怖がると、本音を逃す
しゃべりすぎてしまう人には、もう一つ共通点があります。
沈黙が怖いんです。
お客様が少し黙る。
その瞬間に、
「えっと、それでですね」
と話し始めてしまう。
でも、沈黙はダメなことでは決してありません。
お客様が考えを整理し、自分と向き合っている時間であり、
本当は欲しいけれど、何に引っかかっているのかを探している時間かもしれません。
そこに売り手が言葉をかぶせると、お客様の中で生まれかけた本音が消えてしまいます。
高額商品の商談では、沈黙を埋める力より、沈黙を待つ力の方が大切です。
待つから、本音が出てきます。
今日から変えるなら、この一言
次の商談や個別相談で、商品の説明をしたあと、すぐに追加説明をしないでください。
代わりに、こう聞いてみてください。
「ここまで聞いて、今いちばん引っかかっていることは何ですか?」
もしくは、
「これが解決したら、日常や仕事はどう変わりそうですか?」
この質問をすると、お客様は少し止まります。
その沈黙を待ってあげてください。
お客様が自分の言葉で話し始めたら、そこにきっと本音があります。
「実は、お金のことが気になっています」
「家族にどう話すか考えていました」
「やりたい気持ちはあるけど、続けられるか不安です」
「変わりたいけど、前にも挫折したことがあって…」
ここからが、本当の商談です。
売るべきタイミングは、説明し終わった時ではありません。
お客様の本音が出てきた後です。
売れる人は、話す量を減らしている
売れない人は、お客様が迷うと説明を増やします。売れる人は、お客様が迷ったら、本音を聞きます。
売れない人は、沈黙ができると焦って話します。売れる人は、沈黙ができたらじっくりと待ちます。
売れない人は、商品の良さを分かってもらうことに必死です。売れる人は、お客様が自分で必要性に気づく流れを作ります。
高額商品は、説得で売るものではありません。
お客様の中にある、
「本当は変わりたい」
「このままではまずい」
「でも一人では難しい」
という本音を一緒に見つけるものです。
最後に
「考えます」で終わる商談は、説明不足とは限りません。
むしろ、話しすぎている可能性があります。
一度、しゃべる量を減らしてみてください。
質問を増やしてみてください。
沈黙を怖がらないでください。
お客様が自分の言葉で話し始めた時、そこに「欲しい」の理由が隠れています。
高額商品が決まる会話というのは、うまく話す会話ではありません。
お客様が、自分の本音に気づく会話なんです。
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