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AI時代こそ、一次情報を取りにいこう



なぜ物足りなさが残るのか

AIを使えば、かなり多くのことが短時間でできます。

市場調査をする
競合を整理する
顧客課題を言語化する
施策案を出してもらう

数年前と比べれば、圧倒的に便利になりました。

実際、事業開発やPdMの現場でも、
AIを使うことは当たり前になりつつあります。

ただ一方で、使い込むほど感じることもあります。

「便利だけれど、何か物足りない」

その感覚の正体は、
AIが扱える情報の限界にあるのではないかと思っています。


一般論に強く、一次情報に弱い

AIは、世の中に公開されている情報や、
広く共有された知識を整理するのが得意です。

市場全体の傾向やよくある課題、
業界ごとの成功パターンなど。

こうした全体像をつかむには非常に優れています。

ただ、ある特定の顧客が今まさに困っていること
現場で起きている細かな不満など、一次情報には弱い。

なぜなら、それはネット上にまとまって存在していないからです。


知り合い3人に聞くのほうが

例えば、新しいサービスを考えているとします。

AIに市場調査をしてもらえば、業界構造や競合情報はすぐに出てきます。
それは、大枠を知るのにはかなり有効な手段です。

ただ、例えば建設業向けのサービスを検討している場合、
実際に建設会社で働く部長クラスの方が、日々どんな判断に悩み、何に予算を使い、何が導入障壁になっているのか。
そうした生々しい現場感までは、AIだけではなかなか見えてきません。

実際に価値のあるヒントは、
建設業で働く知り合い3人に30分ずつ話を聞いたときに出てくることがあります。

現場では何に困っているのか?
なぜ既存サービスを使わないのか?
本当は何にお金を払いたいのか?

こうした話は、数字や公開情報だけでは見えてきません。

AIが100件の情報を整理するより、
1人の本音のほうが強いこともあります。


答えより理由を聞く

お伝えしたとおり、
現場の一次情報を取りに行く役割までAIに任せるのは難しいと思っています。

では、この領域でのAIの価値はどこにあるのか。

個人的には、AIを使うときは答えよりも、
その結論に至った理由を重視しています。

なぜその市場を有望と見たのか
なぜその施策を勧めるのか
他の選択肢と比べて何が優位なのか

こうした背景まで聞くことで、
AIがどの前提で判断しているのか、論理の飛躍はないかが見えてきます。

同時に、自分では思いつかなかった観点や、
見落としていた論点に気づけることもあります。

マーケットリサーチや新規事業立ち上げなどで活用する際は、
正解をもらう相手というより、思考を整理し、広げるための壁打ち相手として使うほうが価値は大きいのかもしれません。


AI任せだと、解像度は上がらない

改めて、新規事業領域でのAI活用の難しさを整理すると、
AIだけで考えると、課題の深い部分まで入り込みきれず、結果として結論が平均的になりやすい点にあると思っています。

  • それっぽい市場分析

  • それっぽい課題設定

  • それっぽい施策案

一見すると整っていますが、どこかで見た話になりやすい。
独自性が出にくいのは、現場の一次情報が入っていないからです。

顧客の声や現場の空気感、担当者が今本当に困っていること、自分たちが感じた違和感。

こうした情報が入った瞬間に、
初めて解像度は上がってくるのではないかと思います。


一次情報の価値が上がる

AIの進化によって、一般論は誰でも手に入る時代になりました。
だからこそ、差がつくのはそこではありません。

自分で会って聞いた話や現場で見た景色。
また、実際に試して失敗した経験。

こうした一次情報こそが、これからの競争優位の源泉になります。

誤解がないようにお伝えしておくと、
AIを使うな、という話ではありません。

AIで広く整理し、人間が深く取りに行く。
この役割分担が重要なのではないかと思っています。


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