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陰謀のセオリー解読 後編

割引あり

映画『陰謀のセオリー』のメインになるのは「MKウルトラ」というテーマです。
前編でご紹介したように、陰謀論には嘘も含まれるが真実も含まれます。まだでしたら前編からどうぞ。

メインのテーマで扱う題材ですから、ただの戯言ではないはずです。



MKウルトラとは?


MKウルトラは、実際にあった秘密の人体実験プログラムです。LSDや睡眠剥奪、電気ショック、催眠を使った洗脳・記憶操作実験を行っていました。
CIAの科学技術本部がタビストック人間関係研究所と極秘裏に実施していた洗脳実験のコードネームです。


プロジェクトは 1953年 に始まりました。「秘密裏に終わった」のは1973年頃。当時のCIA長官リチャード・ヘルムズが文書をほぼ全てシュレッダーにかけたはずだが、1977年に残存文書数枚が発見され、上院公聴会で発覚・公式認定されました。

被験者は精神病患者・囚人・兵士・一般市民などで、多くの被験者が本人の同意なしに、非人道的な実験が行われました。

ニューヨークやサンフランシスコに設置したアパート(セーフハウス)で実験が行われました。売春婦などを利用して一般市民や情報提供者を誘い込み、飲み物にLSDを混ぜて、様子をマジックミラー越しに観察するなどの行為が行われていた。

また囚人などNOと言えない者、自ら志願した軍人など、同意をした人でも『CIAのマインドコントロール実験の被験者』だとは知らされていなかった事がわかっています。

この実験はアメリカだけにとどまらず、米の支配下にあった日本・西ドイツ・フィリピンなどに秘密拘置所を設け、監視なしで囚人に実験を行っていました。

日本でも行われていたって知っていました?


映画の中のMKウルトラ

映画に戻りましょう。

どうやらジェリーはこの実験の被験者だったようです。
ジェリーは光が瞬くのを見ると、フラッシュバックがおこり正気を失ってしまいます。それが運転中におこり、あわや交通事故を起こしそうになります。
その後、正気を取り戻そうと本屋に駆け込んで、1冊の本を買います。
「ライ麦畑で捕まえて」。
彼はこの本を買うと、落ち着きを取り戻した…

ここでもう一つの陰謀論が出てきます。


ライ麦畑で捕まえて

「The Catcher in the Rye」J.D. Salinger

歴史的な暗殺事件の犯人がなぜか「ライ麦畑で捕まえて」を持っていたという事実があります。

ジョン・レノン殺害犯(1980) マーク・チャップマン 犯行時所持・逃走せずに現場で読む
ロナルド・レーガン銃撃犯(1981) ジョン・ヒンクリー・ジュニア 犯行時ホテルに所持
女優レベッカ・シェイファー殺害犯(1989) ロバート・バルド 犯行時所持・逃走時破棄
JFK暗殺事件(1963)リー・ハーヴェイ・オズワルド 自宅に所持

レノンを殺した男は現場でこの本を読んでいた。レーガンを撃った男のホテルにこの本があった。女優を殺した男は逃げながらこの本を屋根に投げた。JFKを撃ったとされる男のアパートからもこの本が出てきた。

偶然と呼ぶには、あまりに多すぎる。

ここから生まれたのが、「この小説は洗脳プログラムの“トリガー”として使われたのではないか」という都市伝説です。

映画の中では、ジェリーが「ライ麦畑で捕まえて」を購入すると、ただちに購入場所が特定されて、その付近に被験者が居る事を知らせます。

映画内で、本が直接的なトリガーとしては描かれていません。本を購入することで場所を特定するアイテムとして使われています。
「映画の中だけの話しでしょ?」と思うかも知れませんが、「洗脳プログラムのトリガー説」とは別の説がもう一つあります。

日本ではなじみが薄い本ですが、「ライ麦畑で捕まえて」は子供の頃に皆が読む本です。全国どこの書店にもあるもので、改めて買ったりしない本です。
日本でいうところの「走れメロス」あたりでしょうか。

その本が定期的に売れていると、その地域に忍ばせている被験者は「元気なのだ」というサインになる。そうやって不穏分子を各地に潜伏させておく。
そういった思惑が読み取れます。

ロジックも理解できるこちらの説の方が現実的ですね。

映画の中でもジェリーの自宅に「ライ麦畑で捕まえて」が何冊も置いてあります。しかもジェリーは「読んだことがない」と言っています。

映画の中だけでなく、現実の事件と重ね合わせると、MKウルトラのプロジェクト内でこの本が、重要な役割を担っていたのは想像に難くない。

そして必要になったら何かしらをトリガーにして発動させる。これがMKウルトラの目的だったのではないでしょうか?

まだ、フィクションだと思えますか?


MKウルトラのメモ

MKウルトラの1952年1月のメモにはこう書かれていました

「ある個人を、たとえ自己保存という自然の根本的な法則に反してでも、我々の命令通りに動かせるところまで完全にコントロールすることはできるか?」

CIA文書(MORI ID 144686)

「死をいとわない暗殺者を作れるか」という、衝撃的な内容です。そして別の文書には

「ある人物を催眠下で、著名な政治家、あるいは必要であればアメリカ政府高官を暗殺しようとする行為を、非自発的に行わせることができるか?」

1954年1月のCIAレポート

文書には具体的な実行プランまで記されていましたが、ここでは割愛します。
MKウルトラが陰謀論などではなく、CIAが行った極悪非道な実験だった証拠だと言えるでしょう。

しかも、MKウルトラは突然生まれたのではなく、何十年も用意周到に行われた計画だという事。


アーティチョーク計画

MKウルトラの前身にあたる、アーティチョーク計画というものがありました。

プロジェクト・ブルーバード(1950)
   ↓
プロジェクト・アーティチョーク(1951〜1953)
   ↓
MKウルトラ(1953〜1973)

段階的に進化してきた、数十年がかりの計画です。

アーティチョーク計画の最大の目的は「ある人物を、非自発的に暗殺行為を実行させることができるか」の検証

「尋問技術の研究」という名目でしたが、その実態はそれをはるかに超えたものでした。

LSD・催眠・完全な隔離を組み合わせた実験が行われ、実験を受けた被験者は記憶が霧がかかったような状態になり、体験の記憶が曖昧・断片的になった。

これはジェリーの症状そのものです。

薬物の効果はそれだけにとどまりません。不安や焦燥感を生み出して暗示にかかりやすくするもの、逆に無気力・無抵抗状態を作り出すもの、自分の意志に反した行動を取らせる「自白剤」など、目的別に使い分けられていました。


『時計仕掛けのオレンジ』(1971) スタンリー・キューブリック

映画好きなら『時計仕掛けのオレンジ』でも、同じようなシーンがあった事を思い出したのではないでしょうか。
主人公アレックスは、目を開いたまま器具で固定されて、嫌というほど暴力とエロスの映像を見せられ続ける事で、更生させられるシーンがありました。

ジェリーの尋問のシーンと被ります。

キューブリック監督が、『時計仕掛け~』で、同じような表現を使っていたという点は見逃せません。
1971年公開というと、MKウルトラ実験の真っ最中ですね。キューブリックは何を知っていたんでしょうか?

アイズ ワイド シャット(1999)

キューブリック監督といえば、映画『アイズワイドシャット』の中で特権階級の秘密をバラしてしまい、試写会の5日後に急死しました…不可解ですね。


話をアーティチョーク計画に戻します。

「Special Research for Artichokes」と題された7ページの文書には、食べ物・水・アルコール・タバコへの混入が提案されていた。
さらには、ワクチンや注射などの医療行為を装って投与する方法も検討されていた。

Special Research for Artichokes PDF

気づかれずに投与する。それがこの計画の前提でした。これが本当なら、何十年もたった今なら、何かに転用できそうですね。

アーティチョーク計画は1956年に公式に終了したとされているが、MKウルトラという、より大規模なプログラムへと形を変えて行きました。

MKウルトラが1973年に「終わった」とされた後はどうか。

CIAという極悪スパイ組織が、「バレちゃいましたね、じゃあ辞めまーす!」と、簡単に手を引くでしょうか?
現代でも続いていると考える方が自然ではないですか?

ここからもっとディープな話になっていきます。
表に堂々と出すような内容ではないので、敷居を設けさせてください。

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