オブラート、正しく使えていますか? 〜薬剤師が教える、意外と知らないこと〜
※使い方をすぐに確認したい方は下へスクロール↓↓↓
「オブラート」って知ってます?
薬を飲むのが苦手な方や、お子さんがいるご家庭では、一度はオブラートを使ったことがあるかもしれません。
一方で、薬にあまり馴染みのない方は、お菓子に使われているイメージのほうが強いのではないでしょうか。
代表的なのはボンタンアメですが、私が真っ先に思い浮かぶのは、駄菓子コーナーでよく見かけた、桃太郎のイラストが描かれたきびだんご。
子どもの頃は、あのオブラートの食感が少し苦手で、わざわざ剥がして食べていました。もちろん手はベタベタです(笑)。
そんなオブラートですが、「苦い薬を包んで飲むもの」というイメージだけで、正しい使い方は分かります?
実は使い方を間違えると、口の中や喉に張り付いてしまい、かえって飲みにくくなることがあります。
最近、薬局で間違った使い方をされている患者さんに続けて出会いました。そのときに、「もしかすると、正しい使い方は意外と知られていないのかもしれない」と感じました。
そこで今回は、薬剤師の立場から**「オブラートの正しい使い方」**をご紹介します。
⚫️正しい飲み方
薬を包む:薬をオブラートで包む
水に浸す:コップの水でオブラートの表面を軽く湿らせる
飲み込む:すぐにコップ一杯程度の水で飲み込む。
★スプーンを使う方法もおすすめ
薬を包んだオブラートをスプーンに乗せて、水にさっとくぐらせるか、少量の水を垂らす。
そのまま破らず口に運べるので、おすすめです!

表面が少し柔らかくなるだけでも、喉をスムーズに通りやすくなります。
「オブラートを濡らしたら破れてしまうのでは?」と思われるかもしれませんが、表面を軽く湿らせる程度なら大丈夫です。仮に破れても、飲みづらさは改善しますよ。
⚫️乾いたままはNG、濡らすとツルンと滑る
「オブラートが喉にくっついて苦しかった。」
そんな経験をしたことはありませんか?
実はこれは、オブラートが乾いた状態で口の中や喉に触れてしまうことが原因です。
水分があると柔らかくなりますが、乾いたまま飲み込もうとすると、口の中や喉に貼り付いてしまい、違和感や飲み込みづらさにつながります。
最近遭遇した例も、薬を包んで乾いたまま服用していたので、
「オブラート使っても張り付くし、ガサガサして飲みにくい」と言っているおばあちゃんでした。
⚫️オブラートが使えない薬もある?
ほとんどの粉薬はオブラートを使って問題ありません。
ただし、
舌下錠(舌の裏の粘膜から吸収させる薬なのでNG)
苦味健胃薬(苦味の刺激による効果を弱めてしまう)
などは、オブラートで包むことで本来の効果が十分に得られない場合があります。迷った時は、薬局・薬店へご相談ください。
⚫️オブラートと服薬ゼリー、どちらがいい?
服薬ゼリーは張り付くことはないので、高齢者や飲み込む力が弱い方には特におすすめです。味がついているので、お子さんもこちらがいいかもしれませんね。
一方で、オブラートは手軽で価格も比較的安く、苦味を感じにくくできるというメリットがあります。
どちらが優れているというよりも、好みや状況によって使い分けるのが良いかと。
⚫️オブラートの起源
キリスト教の儀式で使われる薄いパン「聖餅」が起源です。
その後、ヨーロッパでは、この薄い膜を薬を包んで飲むために利用するようになりました。
日本にも明治時代に硬いオブラートが輸入されましたが、使いにくく、高価だったため、あまり普及しませんでした。
そこで、開業医 小林政太郎 さんが、「もっと飲みやすいオブラートを作れないか」と考えます。お正月に寒天料理を作っていたとき、熱い鉄瓶に寒天液がこぼれ、薄い膜になって固まったことから着想を得て、1902年(明治35年)に現在のやわらかいオブラートの原型を開発されたそうです。
⚫️オブラートって何でできているの?
オブラートは、主にでんぷんから作られた、とても薄い膜です。
昔は薬局で粉薬を量り売りしていた時代があり、その頃から粉薬を飲みやすくするために使われてきました。
現在では、一枚の丸いタイプだけでなく、袋状になったものも販売されており、粉薬を入れて口を閉じるだけなので、以前よりも手軽に使えるようになっています。
⚫️まとめ
「薬が飲みにくい。」
そんな悩みも、ちょっとした工夫でぐっと楽になることがあります。
オブラートは、昔から多くの人の服薬を支えてきた、とてもシンプルで便利なアイテム。毎日飲む薬だからこそ、少しでも楽に、そして安全に続けられることが大切です。
薬の飲み方やオブラートの使い方で困ったことがあれば、お近くの薬剤師へお気軽にご相談ください。
