イスラエル:イタリアでカト216kgを没収される
カトというドラッグはイエメンでは合法のようです。
イエメンでカト(カート)が「普通」である理由は、数百年にわたる深い歴史的・文化的な背景と、社会的な慣習にあります。主に次のような理由から、日常生活に深く根付いています。
歴史的・文化的背景:
イエメンや東アフリカの一部地域では、15世紀頃(あるいはそれ以前)からカトを噛む習慣が存在していました。コーヒーが普及するよりも前から嗜好品として親しまれており、長年の歴史の中で伝統的な文化の一部として定着しています。
社会的コミュニケーションの道具:
イエメンでは、午後に人々が集まってカトを何時間も噛みながらおしゃべりをしたり、政治やビジネス、家族の相談をしたりする「カト・セッション」と呼ばれる集まりが日常的に行われます。日本で言うお茶会や、欧米におけるパブでの社交のような役割を果たしており、人間関係を築く上で欠かせない場となっています。
宗教上の解釈と代替性:
イスラム教の教義において、アルコールの飲酒は厳格に禁じられていますが、カトは植物の葉を噛むだけであり、古くから宗教的・法的に容認されてきた経緯があります。「イスラム教徒にとってのアルコール(代わりの気晴らし)」のような感覚で受容されてきました。
生活や経済への浸透:
成人男性の大部分(推定で9割近く)や多くの女性、さらには子どもに至るまで日常的にカトを消費しており、農業や経済においてもカトの栽培・流通が大きな割合を占めています。そのため、国内では違法な麻薬というよりも「当たり前の生活必需品・嗜好品」として扱われています。
このように、現地では伝統的なコミュニケーションの手段や文化的習慣として強く根付いているため、諸外国の厳しい法律(違法薬物としての指定)との間に大きなギャップが存在しています。
カト(カート)がイタリアや日本、アメリカなど多くの諸国で禁止(違法薬物指定)されている主な理由は、医学的な依存性・身体への悪影響と、国際的な薬物規制条約への適合によるものです。
背景には次のような要因があります。
依存性と覚醒作用の強さ: カトの主成分である「カチノン」は、覚醒剤(アンフェタミン)に似た化学構造と作用を持っています。強い高揚感や多幸感をもたらす一方で、耐性や強い精神的依存性を引き起こします。
心身への深刻な健康被害: 長期間または過剰に摂取し続けた場合、不眠、食欲不振、高血圧、心拍数の上昇といった身体的負荷だけでなく、幻覚、妄想、うつ状態、攻撃性などの精神障害を引き起こすことが医学的に確認されています。また、口内粘膜の炎症や歯周病、消化器系への悪影響も指摘されています。
社会的・経済的損失の懸念: 現地(イエメンなど)では、男性が日常的に長時間カトを噛み続けることで労働意欲が低下し、家計や国家経済に悪影響を及ぼしていることが社会問題として議論されています。麻薬として野放しにすれば、同様の社会的・経済的コストが自国にも波及するリスクが懸念されます。
国際条約(国連の薬物条約)による規制: 国際連合は1971年の「精神薬物に関する条約」において、カトの主成分であるカチノンを規制薬物に指定しました。これを受け、署名国である各国(EU諸国、日本、米国など)は国内法を整備し、麻薬類として厳しく取り締まる義務を負っています。
このように、文化的習慣として定着している地域がある一方で、「覚醒剤に匹敵する依存性と精神的・身体的リスクをもたらす薬物である」という科学的評価と国際的な取り決めに基づき、多くの国で厳格に禁止されています。
ユダヤ系移民による持ち込みと文化の定着:
イスラエルには、かつてイエメンや東アフリカ(エチオピアなど)から移住したユダヤ系住民(イエメン系ユダヤ人など)が多く暮らしています。彼らの間では、祖国から受け継いだ伝統的な習慣として生葉を噛む文化(タハジナと呼ばれる集まりなど)が日常に根付いており、長年にわたり社会的・文化的に容認されてきました。
「自然な状態(生葉)」のままであれば規制対象外:
イスラエルの法律(危険薬物条例)では、化学的に成分を抽出・濃縮した加工品(過去に市販されて問題となった合成成分のドラッグなど)は厳しく規制・禁止されています。しかし、植物そのものの生葉の状態で消費・販売・所持することについては、伝統的な嗜好品として例外的に認められてきました。
このように、国内の一部コミュニティにおける長年の文化的慣習に配慮されているため、イスラエル国内では合法とされています。
216㎏は自分用とは言えず、どう見ても犯罪でしょうね。
