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Katarina 'Kekla' Rešek『Fantasy』スロヴェニア、彼女たちの決断

Katarina 'Kekla' Rešek長編一作目。2021年製作の短編『Sisters』の長編化作品。シーナ、ヤスナ、ミフリエはスロヴェニアの団地に暮らす20代前半の男勝りな親友同士だ。彼女たちは自身を取り囲む保守的な社会を拒み、未来を先延ばしにしながら生活をしていた。あるとき三人は、謎めいたトランス女性ファンタジーに出会い、それぞれの生活が変化していく。ボクシングにのめり込んでいたシーナは既婚者のコーチと恋愛関係に引き摺り込まれ、ミフリエは見合い結婚から逃げ出すためにファンタジーと旅を共にすることになり、ヤスナは世界の全てに無関心な母親から離れてフランスのクルーズ船で働く決意を固める。となると、やはりファンタジーの存在はMPDGに他ならないが、彼女の名前及び題名を"ファンタジー"としているので、ある程度自覚的ではあるのだろう、と思いたい(そして彼女の存在自体を"ファンタジー"としていないことを願いたい)。ただ、女として生まれたくなかったとする三人と対比させるように、女として結婚して子供と犬に囲まれて暮らしたかった…という台詞をファンタジーに言わせているので、彼女の存在は構造的な意味の方が大きそうで、肯定的に捉えるのは無理かもしれない。保守的で閉塞的な空間に閉じ込められた三人の若い女性が主人公ということで、ルアナ・バイラミ『The Hill Where Lionesses Roar』を思い出した(これも東欧クィア映画リストに載っていた)。どちらも主人公たちの背景情報が映画の外側に存在し、自らの将来を悲観しながら現状を打開できず問題を先送りにしてしまっているという点で似ている。同作では無言で遊んでる時間などが多く本当に時間を空費していたが、本作品では時間の空費より無力感を描く方に注力していた。

・作品データ

原題:Fantasy
上映時間:98分
監督:Katarina 'Kekla' Rešek
製作:2025年(スロヴェニア, 北マケドニア)

・評価:60点

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