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Miroslav Terzić『3 Weeks After』セルビア、地獄の遠足が始まる…

Miroslav Terzić長編三作目。旧ユーゴ圏には遠足映画という極細ジャンルがあり、どれも本当に碌なことが起こらない。本作品も例に漏れず碌なことが起こらない。物語はブルガリアのバルカン山脈を訪れるセルビアの高校生たちを描いている。主人公ツォツァが燃えているマンションの一室を眺めるシーンで幕を開け、彼が唯一の友人ダリヤと合流してバスへ向かうシーンが長回しで捉えられる。あまりの異常事態なのに誰も気にしない、まさにこの映画自体を象徴しているようだ。ツォツァは長らく精神病院にいたようで、他の生徒たちは彼の復帰を喜んでいない。なぜか?それは中盤になってやっと明らかになる。同じクラスのアンドリヤがイジメを苦に自殺してしまったのだ。彼の唯一の友人だったツォツァの存在は、イジメ加害者にとってアンドリヤを思い出させるため、なんとしても排除したいと考えた彼らによって排除の対象となってしまう。引率する二人の教師は、"あのガキどもには反吐が出る、どの世代と比べても最悪で邪悪だ"と口では言うものの、ツォツァを守るどころか大人としての役割もあっさりと放棄する。そして、最終的にはダリヤすらもツォツァを裏切って加害者に差し出すのだ。あまりにも地獄すぎる。監督は元々はCMディレクター出身らしく、ロングショットや長回しを用いた静と動の厭らしい緩急の付け方が非常に上手い。序盤のバス内の後列へ行くほどランクの高い生徒が座っている序列空間の刻み方も、生徒たち全員が自分に責任がないと言い、教師たちもその役割を放棄した瞬間に危うく保たれていたバランスが崩壊するという一連の長回しも、怒りに支配されているかのように歩きながら、唐突にそれを示す音楽が止んで、それでもなお同じ行動を続ける終盤の長回しも、どれも上手すぎる。上手すぎるからこそ、新たな標的になったツォツァが苛烈なイジメを受けるシーンだけで構成されてしまったのが残念でならない。"新たなジョーカーが生まれちゃいました…"じゃないんすよ。

・作品データ

原題:3 недеље после
上映時間:94分
監督:Miroslav Terzić
製作:2026年(セルビア等)

・評価:60点

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