#87 よい言葉に触れる習慣 〜『致知』を読む〜
よい言葉に触れると、心が洗われる。
最近、そんな感覚を毎日味わっている。きっかけは、『致知』という月刊誌を読み始めたことだ。
『致知』について
『致知』は 1978 年創刊の月刊誌。「人間力を磨く」という編集方針のもと、毎号ひとつのテーマに沿って誌面が組まれる。過去のテーマ例は、「人を育てる」「感謝に勝る能力なし」などがある。各分野の第一線で活躍する人物のインタビューや対談記事が中心となる。
普通の書店には置いておらず、ネットで申し込む定期購読のみ受け付けている。2026 年 7 月現在の購読者数は、11 万人以上に上る。
読者には著名人も多い。iPS 細胞研究で知られる山中伸弥さん、野球界の王貞治さんや栗山英樹監督、京セラ創業者の故・稲盛和夫さんをはじめとする一流企業の経営者など、数えきれないほどだ。
16 年前の出会い
私と『致知』の出会いは、16 年前まで遡る。
20 歳の頃、中学時代の同級生の家に遊びに行ったときのことだ。その部屋に、『致知』が置いてあった。
その友人の実家は会社を経営していて、将来は彼が継ぐ可能性が高かった。推測だが、おそらく親御さんが『致知』を愛読していて、息子にも勧めたのだろうと思う。
その場でパラパラとめくっただけでも、これはものすごく硬派な雑誌だと分かった。ただ、当時学生だった私は年間 1 万円強の出費をケチって、定期購読を見送った。「あのとき申し込んでいれば…」という思いは今もある。
『修身教授録』という名著
月刊誌の定期購読こそしなかったものの、致知出版社の本は何冊か読んだ。
最初の一冊は、これも友人に勧められた『修身教授録』。森信三先生という、昭和の教育者の本だ。
1937 年から 1939 年にかけて、大阪府立天王寺師範学校(現在の大阪教育大学)で行われた「修身」の講義録で、学生が講義中に書き取ったノートをまとめたものだ。森先生の語り口がそのまま再現されていて、臨場感がある。
真面目とはどういうことか。一度きりの人生をどう生きるべきか。そんな熱いテーマが並び、「昔の『修身』とはこういう授業だったのか」と衝撃を受けた。
この本のおかげで、その後も『致知』はずっと頭の片隅に残り続けていた。
今年のマイ・ベスト習慣
そしてこのたび、晴れて購読を開始した。
感想をひとことで言うと、ものすごくいい。
7 月号のテーマは「続けてこそ道」。まさに、私の最大の関心事といっていい「継続」がテーマだった。テーマ選びも、人選も、記事の内容も、すべてが洗練されていて、ほかでは中々出会えない文章が読める。
最近では毎日、就寝前と朝起きてすぐに 10〜15 分ずつ、『致知』を開いている。一気に読むのがもったいないので、少しずつ咀嚼しながら読み進める。
寝る直前に考えていたことは、寝ている間に脳の深層心理に刻まれるという。また、起床直後の脳がぼーっとしている時間に触れた情報は定着しやすい、という説もある。これらの時間帯に毎日『致知』の教えをインストールしたら、すごいことになるのではないかと期待している。
実際、寝る前に読むといい気分で眠れるし、朝起きた瞬間に『致知』が机の上にあると晴れやかな気分になれる。ここ数年、新たに始めようとしてきた習慣の中ではこれがベストと呼べそうだ。
紙媒体にこだわっているのも、寝る前のデジタルデトックスが自然にできていい。分量も 1 ヶ月で読み切るのにちょうどよく、いい記事は時間を置いて再読したくなる。
今までの私は、サブスク系サービスで最も優秀なのは Audible の聴き放題プラン(月額 1,500 円・2026年7月現在)だと思っていたが、『致知』はそれを越えてきた感がある。
【余談】
『致知』には、別冊の『母』もある。年に 1 回の発行で、主に子育てをテーマに、世の中のお母さんを応援する内容だ。こちらも 1 冊購入して、感想を妻と共有するのがとてもいい時間になっている。
人生はらせん階段
話は変わるが、昨日、子ども向けの施設で、高さ 170 m のらせん状通路を登る機会があった。かなりの高さで、登りきるのはひと苦労だった。

これを人生になぞらえると、私たちは皆、らせん階段を上るように、生きている中で同じような悩みに繰り返し直面している。
それでも、学ぶことを止めていなければ、前回その悩みにぶつかったときよりも 1 段高いレベルの自分で対処できる。上から見れば同じ悩みでも、横から見れば、高さが上がっている。これを繰り返して、いつしか十分に高いところに到達したとき、その悩みはもう問題ではなくなっている。
『致知』のような書物を読み、よい言葉に接し続けることは、この階段を一歩ずつ上がっていく営みだと思う。
ちなみに、人生をらせん階段に例えるこの話は、昔読んだ『あなたは絶対!運がいい』という本に書かれていたもので、印象的だったため今でも覚えている。読書メモも昔のブログに書いていた。
『致知』ワールドへの誘い
私はまだ読み始めて 1 週間の身だが、もっと早く読み始めればよかった、というのが正直な感想だ。読むほどに、これだけ多くの人に愛読されている理由がわかる。
公式 HP では各記事の試し読みが可能なので、あなたにもぜひ一度、『致知』を手に取ってみてほしい。また、致知出版社の提供する無料のメールマガジンも良質なコンテンツなので、登録していただけたら嬉しい。(念のため、私は致知出版社の関係者ではないが、この雑誌が広まって世の中が良くなることで得をする人間の一人だ)
よい言葉に触れる習慣が、らせん階段を上る原動力になるはずだ。
note の内容は、余談を交えながら Podcast でも話しています。興味を持ってくださった方は、ぜひ聴いてみてください🎧️
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▼浩平のプロフィール
・コーチ 4年目(2026年7月現在)
・京都大学工学部 / 同大学院 → 技術職 9年 → 教育ベンチャー 3年 → 独立
・座右の書:Atomic Habits
・好きな習慣:早起き / 読書 / 内省 / 筋トレ
「理系院卒 → 大手終身雇用」というレールを離れ、ライフコーチとして独立しました。自分の意思(Will)でキャリアを選択するための、読書やジャーナリング習慣の重要性について発信しています。
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