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鬼嫁11話|朝の甘い罠

朝、目を覚ますと枕元にメモが置いてあった。

“おはよう。今日も頑張ってね”

……嬉しい。
でも、ここは油断禁物。鬼嫁の優しさは、時に罠だ。

メモの下には小さな追記。

“あと、家じゅうのゴミを全部出しておいてくれる?”

朝からミッション発動。
僕は小さく深呼吸をしてベッドを降りる。

掃除、洗濯、ゴミ出し……フルセットだ。
優しい顔に安心してしまった僕は、心の中でツッコミを入れる。
(朝っぱらからこんなフルコース、本当に鬼かよ……)

それでも、素直に動くしかない。
台所のゴミ袋を持ちながら、ふと鬼嫁を見ると、ソファでスマホを弄りながらにこやかに微笑んでいる。

「あなたが素直だから、私は優しくできるのよ」

……刺さる一言。
甘くて怖くて、少し笑えてしまう。

ゴミを出し終わった瞬間、僕は心の中でガッツポーズ。
その後、掃除機をかけ、洗濯物を干し終わると、鬼嫁は満足そうにソファに戻り、もう何も言わない。

心の中で僕は、つぶやく。
(今日も無事に生き延びた……鬼嫁、恐るべし)

でも、なんだかんだで、この日常が愛おしい。
怒られるわけでも、叱られるわけでもなく、ちょっと笑える事件。
自分の心のツッコミがあって、鬼嫁の小さな優しさも見えて、
なんだかほっこりする。

今日も、鬼嫁マジック、完璧に発動。
そして僕は、笑いながら次のミッションに向かうのだった。




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