プレシーズンゲーム「KOBE RISING -2026-」神戸ストークスVSレバンガ北海道の個人的な見どころ
いよいよ、新たなシーズンの幕開けを迎える。
その中でもプレシーズンマッチは、新たなチームのお披露目の場と言っても過言ではない。
もちろん、移籍によるチームの変化はそれぞれ異なる。それでも、新たな選手が加わる中でどのようなチームをつくっていくのか。そしてHCが継続するチームであれば、これまで積み上げてきたものをベースに、どのような進化を見せるのか。新シーズンに向けた変化を実戦の中でいち早く見ることができるのも、プレシーズンマッチの楽しみの一つだ。
「KOBE RISING -2026-」は、8月最後の週末に神戸ストークスのホームアリーナ、GLION ARENA KOBEで開催される。
昨年は9月末の開催だったが、今季は8月に開催。今年はホストクラブの神戸ストークスに加え、千葉、北海道、島根と、各地から4クラブが神戸に集結する。
そして今季はいよいよ、B.LEAGUE PREMIER初年度。
新たなリーグの開幕を前に、B.LEAGUE PREMIERを戦う4クラブが集い、各チームの新シーズンに向けた「現在地」をいち早く体感できるプレシーズンゲームとなる。
新加入選手と既存戦力の融合、新たなラインナップ、そして昨季まで積み重ねてきたそれぞれの強みが、今季どのような形で表現されるのか。
勝敗だけではなく、新たなシーズンにつながる変化にも注目したい。
そして何より、お互いに怪我なく、新シーズンへの期待がさらに高まるような好ゲームに期待したい。
実況:能政夕介(1人実況です。至らない点もあるかと思いますが、何卒宜しくお願い致します)
※資料は加執・修正の可能性があります
両チームの昨季について
神戸ストークス:B2リーグ優勝
西地区:55勝5敗|平均88.4得点|平均74.1失点|得失点差+14.3
昨季の神戸は、B2で圧倒的な成績を残して年間優勝を果たした。
チームスタッツを見ると、
平均得点88.4点でB2 1位
FG成功率45.6%で3位
3P成功率33.3%で5位
リバウンド44.3本で1位
アシスト20.6本で7位
スティール6.8本で6位
ブロック2.4本で8位
さらにターンオーバーは1試合平均9.9回に抑えていた。
中でも大きな特徴だったのが、B2 1位となる平均44.3本のリバウンド。
特にオフェンスリバウンドは16.4本を記録し「1本目を外しても終わらない→オフェンスリバウンドを奪う→セカンドチャンスから得点」という形が大きな武器となった。
昨季このリバウンド力を支えたヨーリ・チャイルズは今季も残留。
さらに新加入の211cmファーダウス・アイマク、206cmジェイレン・マクダニエルズ、198cmルーカス・サレーなどサイズのある選手が加わり、B.PREMIERではオンザコートの制限がなくなることも含め、昨季以上に大型のラインナップを組むことも可能になる。
昨季の3Pは1試合平均9.2本成功/27.5本試投、成功率33.3%
B2 5位と決して低くないが、北海道のように高いシュート成功率そのものを最大の特徴とするチームとは少し性質が異なる。
神戸は2P成功率53.1%に加えてリーグトップのリバウンド力があり、「外から打ち勝つ」というよりも、ペイントを攻め、外してもリバウンドを奪い、攻撃を継続することが昨季の大きな強みだった。
さらに、リーグ最多となる平均88.4得点を挙げながら、ターンオーバーは平均9.9回。攻撃機会を簡単なミスで失うことが少なく、リバウンドによってポゼッションを増やすことも含めて、自分たちの攻撃回数を確保できていたことも高い得点力につながった。
プレーオフではアウトサイドシュートの成功率も上昇。レギュラーシーズンから武器としてきたインサイドへのアタックとリバウンドに外角まで加わり、B2年間優勝を勝ち取った。
今季も基本となるのは、インサイドを起点にリバウンドを制し、攻撃機会を増やしながら着実に得点を積み重ねるスタイル。その強みがB.PREMIERの相手に対しても発揮できるかは、大きな注目ポイントとなる。
個人で見ても、ヨーリ・チャイルズは全60試合に先発し、平均21.3得点を記録してリーグ3位。リバウンドでもチームを支え、さらに3P成功率37.3%とアウトサイドからも高い確率を残すなど、昨季の神戸の中心選手だった。今季は新たに外国籍選手が加わっただけに、新加入選手との組み合わせや連携によって、どのようなプレーを見せるのかも楽しみなポイントとなる。
加えて、得点力とゲームメイクの安定感を持つ寺園脩斗、そして木村圭吾、八村阿蓮と、B1でのプレー経験を持つ選手たちも、B2で優勝を経験し、さらに実績を積み重ねて今季を迎える。
一方で、昨季のリバウンド力を語るうえで欠かせなかったのがアイザック・バッツ。1試合平均4.3本のオフェンスリバウンドを記録し、チーム全体の約4分の1を一人で担っていた。そのバッツが退団した中で、ファーダウス・アイマクら新加入選手がその部分をどこまで補えるのか。昨季B2 No.1だったリバウンド力をB.PREMIERでも維持できるかは、今季の神戸を見るうえで注目したいポイントとなる。
レバンガ北海道:B1東地区 5位
37勝23敗|平均88.3得点|平均86.7失点|得失点差+1.6
昨季は富永啓生やジャリル・オカフォーらの加入もあり、B1に旋風を巻き起こしたレバンガ北海道。間違いなく、その強さを印象付けたシーズンでもあった。
最大の特徴は、高い得点力とシュート効率にある。
FG成功率48.6%=B1 1位
3P成功率36.5%=B1 3位
平均88.3得点=B1 2位
平均得点は優勝した長崎に次ぐ数字で、24-25シーズンからは約13点も向上した。
ただし、3P試投数は1試合平均22.8本。実はこれはB1で最も少ない数字だった。つまり北海道は、単純に大量の3Pを放って得点を伸ばしたのではなく、「質の良いシュートを作り、それを高確率で決める」ことが大きな特徴だった。
特に2P成功率は54.7%でリーグ10位ながら、試投数は平均44.7本でリーグ最多。アウトサイドに偏るのではなく、積極的にペイントエリアを攻めながら高いFG成功率につなげていたことが数字にも表れている。
ロイブルHCのオフェンスの中で、富永だけでなく、ラモス、ハーラー、島谷らもそれぞれの持ち味を発揮。チーム全体で記録したFG成功率48.6%というリーグトップの数字につながった。
アシストは平均20.4本でリーグ15位。平均88.3得点という高い得点力と比較すると、アシスト数そのものが突出していたわけではない。富永やラモスらが自ら局面を打開してフィニッシュする場面もあり、必ずしもアシストの多さだけに依存しないオフェンスだった。
富永のシュート、ラモスのアタック、ハーラーのインサイド。そこに今季は新加入のクラークやボールデンも加わり、攻撃の選択肢にはさらに厚みが増す可能性がある。
もちろんチームとしてのオフェンス、ディフェンスは重要だが、局面で個々が優位性を作り、最後は高確率で得点まで取り切る。そうした力も昨季37勝を積み重ねた要因の一つだった。
守備面の数字を見ると、スティールは平均6.2本でB1 19位、ブロックも平均2.3本で19位。スティールから速攻につなげたり、ブロックでゴール下を圧倒したりすることを最大の特徴とするチームではなかった。
また、平均失点はリーグで2番目に多かった。昨季はそれを上回る得点力で勝利をつかんだ試合も多かっただけに、今季は強みであるオフェンスを維持・向上させながら、守備面をどこまで改善できるかもポイントとなる。
神戸のヨーリ・チャイルズがチームの核の一人であるならば、北海道はやはり富永啓生。
昨季は、
平均19.5得点(日本人選手1位)
FG成功率46.6%
2P成功率55.1%
3P成功2.3本/成功率35.6%
FT成功率84.3%
平均2.5アシスト
を記録した。
特に注目したいのは、代名詞でもある3Pだけではなく、2Pでも55.1%という高い成功率を残したこと。単なる「3Pシューター」ではなく、さまざまな形から得点を奪えるスコアラーとして存在感を示したシーズンだった。今季もその得点力を継続し、さらに進化を見せられるか楽しみにしたい。
加えて、アジア特別枠のドワイト・ラモスも重要な存在。FG成功率は前年の40.7%から46.7%へ大きく向上し、平均12.2得点と2桁得点を記録。サイズを生かしたアタックなど、万能なウイングとしての強みを見せた。
インサイドではジョン・ハーラーがリバウンドやゴール下で奮闘。そして司令塔の島谷怜も安定したゲームメイクを見せた。島谷は3Pの試投数こそ決して多くないものの、成功率41.1%を記録。ゲームを組み立てるだけでなく、自ら得点できる点も相手にとっては警戒が必要となる。
一方、昨季の北海道で得点・リバウンドの両面で貢献したケビン・ジョーンズが退団。今季加入したゲイリー・クラークがその役割をどこまで補い、さらに上回ることができるかも注目したい。
さらに新加入のマークイーズ・ボールデンも含め、昨季B1トップだったシュート効率を、新たな外国籍選手との組み合わせの中でも維持できるのか?
プレシーズンゲームでは、今季の北海道のオフェンスを占ううえでも注目したいポイントとなる。
両チームのメンバー編成(2026年8月20日時点)
神戸ストークス
■HC
川辺 泰三(2季目)
■継続選手
寺園 脩斗
八村 阿蓮
木村 圭吾
道原 紀晃
ヨーリ・チャイルズ
中島 三千哉
金田 龍弥
■新加入
ファーダウス・アイマク(TSG GhostHawks (台湾)から加入)
ジェイレン・マクダニエルズ(New Orleans Pelicans(NBA)から加入)
中野 司(福島から加入)
小川 麻斗(京都から加入)
山口 颯斗(長崎から加入)
ルーカス・サレー(Central Al Markaziyyah (レバノン)から加入)※アジア特別枠
■移籍・契約満了
アイザック・バッツ(徳島へ移籍)
ルーク・メイ
笹倉怜寿(熊本へ移籍)
ジミー・セーレム(アジア特別枠)
梅村 帝武(特別指定選手の活動終了)
谷 直樹(引退)
野溝 利一(福岡へ移籍)
外国籍選手を入れ替えつつも、主力の日本人選手は残留。
そこから昨季京都で飛躍した小川、アウトサイドのシュートも上手い中野や山口が加入した。
高さのあるアジア特別枠のルーカス・サレー、211cmのCファーダウス・アイマク、さらにNBA経験豊富なジェイレン・マクダニエルズが加入。サイズとフィジカルの面では、非常にスケールアップした布陣となった。オンザコートフリーとなるB.PREMIERでは、そのサイズを生かしたラインナップも大きな武器になるかもしれない。
レバンガ北海道
■HC
トーステン・ロイブル(通算3季目)昨季14年ぶりに指揮
※レバンガ北海道初代HC
■継続選手
関野剛平
ドワイト・ラモス
菊地広人
木林優
市場脩斗
島谷怜
内藤耀悠
ジョン・ハーラー
富永啓生
西村優真 (ドラフトU22枠として新規契約)昨季もプレー
■新加入
ゲイリークラーク(横浜ビー・コルセアーズより加入)
マークイーズ・ボールデン(Santa Cruz Warriors (NBA G-League)で昨季プレーも)
大崎 裕太(アルティーリ千葉より加入)
松崎 裕樹(横浜・ビー・コルセアーズより加入)
■移籍・契約満了
ケビン・ジョーンズ
星野京介(信州へ移籍)
盛實海翔(富山へ移籍)
ジャリル・オカフォー
安藤 煌太朗(国士舘大学進学)
マックス・ヒサタケ(TUBCへ移籍)
外国籍選手を2人入れ替え、NBA経験もあり日本での経験もあるゲイリー・クラーク、そしてアウトサイドのシュートも計算できる松崎や大崎が加入。
マークイーズ・ボールデンは211cmのC/PF。新たなインサイドの軸として、攻守両面で重要な役割を担うことが期待される。
過去の対戦成績(北海道2勝)リーグのみ
神戸と北海道の対戦はリーグ戦で見れば2018年以来となる実に8年ぶりの対戦となる。8年前は北海道が2勝を飾った。
北海道 109-74 神戸 2018.03.05
北海道 89-60 神戸 2018.03.06
GAME1は100点ゲーム、そしてGAME2も29点差をつけてと、過去の試合では北海道が自分たちのリズムでバスケットを展開し勝利を飾った。
ただ、8年前ということでクラブも、選手も大きな変革を迎えている両チームとなる。
8年前の対戦では、現在の北海道で社長を務める折茂武彦氏、GMを務める桜井良太氏も現役選手としてプレーしていた。その中で関野剛平は現在も北海道の選手としてプレーを続けている。一方の神戸では、道原紀晃が当時から現在までチームでプレーを続けている。
直近のシーズンではメンバーも大きく入れ替わり成果を出した両チーム。プレミアでの対戦を前にどんなプレーを見せてくれるか注目したい。
因みにレギュラーシーズンでは11月13日金曜日で北海道のホームで対戦、そして来年の2月16日火曜日に神戸のホームで対戦を予定している。
個人的な見どころ
① 神戸が握りたいインサイド&リバウンドの主導権。B2最強の武器はB.PREMIERでも通用するか
昨季B2を55勝5敗で制した神戸ストークス。その強さを支えた大きな要素の一つが、リーグ1位の平均44.3リバウンドだった。
特にオフェンスリバウンドは平均16.4本。1本目のシュートを外してもリバウンドを奪い、セカンドチャンスから得点につなげることで攻撃機会を増やしてきた。
その中心だったのが、平均21.3得点に加えて高いリバウンド力を発揮したヨーリ・チャイルズ。一方で、昨季チームのオフェンスリバウンドのおよそ4分の1を一人で担ったアイザック・バッツが退団した。
ただ、今季は211cmのファーダウス・アイマク、206cmのジェイレン・マクダニエルズ、198cmのルーカス・サレーらサイズのある新戦力が加入。B.PREMIERではオンザコートの制限がなくなることもあり、昨季とは違った大型ラインナップを組むこともできる。
対する北海道も、211cmのマークイーズ・ボールデン、205cmのジョン・ハーラー、200cmのゲイリー・クラークらを擁する。
昨季B2で圧倒した神戸のインサイドとリバウンドが、よりサイズとフィジカルのあるB.PREMIERの相手にも通用するのか。
そしてバッツが抜けた穴を新戦力がどのような形で埋めるのか。神戸にとって今季を占う意味でも、まず注目したい攻防となる。
特に、神戸のオフェンスリバウンド、チャイルズ+新外国籍選手の組み合わせ、セカンドチャンスポイントをより意識的に注目したい。
② B1屈指の得点力を誇った北海道。新戦力との融合で「高効率オフェンス」はさらに進化するか
昨季B1トップのFG成功率48.6%を記録した北海道。大量の3Pに頼るのではなく、ペイントへのアタックも含め、質の良いシュートを高確率で仕留めたことが特徴だった。
一方で3P試投は平均22.8本でB1最少。大量の3Pを打つことで得点を伸ばしたのではなく、インサイドへのアタックも含めて、質の良いシュートを選択し、高確率で仕留めることが北海道の強みだった。
その中心となったのが、平均19.5得点を記録した富永啓生。3Pだけでなく2Pでも55.1%を記録し、昨季は「シューター」にとどまらないスコアラーとして存在感を示した。
さらに平均12.2得点のドワイト・ラモス、インサイドで身体を張るジョン・ハーラー、司令塔の島谷怜らも継続する。
そこに今季はNBA経験を持つゲイリー・クラーク、211cmのマークイーズ・ボールデンらが加入。
一方でケビン・ジョーンズら昨季の高効率オフェンスを支えた選手も抜けているため、「昨季の強さをそのまま継続する」のではなく、新しいメンバーで再構築できるかがポイントになる。
特に今回の神戸はリバウンドに強く、サイズのある選手も揃う。北海道が昨季のようにペイントを攻略しながら高確率のシュートを作れるのか。それとも神戸のサイズに対して、富永らのアウトサイドをより有効に使うのか。
新戦力との融合と、昨季B1トップだったシュート効率の継続。北海道にとってプレシーズンで確認したい大きなテーマとなる。
③ 北海道を知る3人が神戸に。「古巣対戦」にも注目
今回の対戦をより面白くするのが、両クラブに縁のある選手たちの存在。
神戸の司令塔寺園脩斗は、2021-22シーズンから2024-25シーズンまで北海道でプレー。昨季神戸へ移籍し、B2優勝を経験した。
今季神戸に加入した中野司も北海道で長くプレーした選手。北海道でB1を戦ってきた経験を持つシューターが、今季は神戸のユニフォームを着て古巣と対戦する。さらに今季加入の山口颯斗も北海道でプレーした経験を持つ。
つまり神戸には、
寺園脩斗
中野司
山口颯斗
と、北海道を知る選手が複数いる。
単なるプレシーズンゲームではあるものの、古巣を相手にどんなプレーを見せるのかは注目したい。また、彼らは北海道を知っているだけではなく、B1でのプレー経験を持つ選手たちでもある。
B2王者としてB.PREMIERへ挑む神戸にとって、こうした選手たちがこれまでの経験をどう還元するかも重要になる。
一方の北海道にとっても、かつての仲間たちが新しい神戸でどのような役割を担っているのか、お互いをよく知る部分もあるだけにその攻防に注目したい。
昨季それぞれのカテゴリーで強みを発揮した両チームが、B.PREMIERという新たな舞台を前にどんな「現在地」を見せるのか。
週末に行われる3試合のうち、私は神戸ストークスvsレバンガ北海道の実況を担当します。プレシーズンだからこそ見える新たな可能性にも注目しながら、ぜひ一緒に楽しみましょう!
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