ネットの評判を信じて失敗する前に。私が移住前に現地へ行くべきだと強く思うワケ
皆さんこんにちは。相模原市地域おこし協力隊の高濱です。
「百聞は一見にしかず」という言葉がありますが、これは地方移住する人も、地域おこし協力隊になる人も当てはまります。
実際に移住先の地域を訪れて、雰囲気を体感しておくこと。これは「できればやっておいた方がいい」ではなく、「絶対にやっておくべきこと」だと思っています。マジで(笑)
移住してから「こんなはずじゃなかった」と感じた経験が自分にもあるからこそ、これから移住を考えている方には同じ思いをしてほしくない。今回はそのことについて、実体験をもとにご紹介します。
観光で来るのと、生活者として来るのは全然違う
観光で地域を訪れると、見えるものは「その日の良い面」だけです。天気が良ければ景色がきれい、ご飯が美味しい、空気が澄んでいる——「いい場所だなあ」という印象で帰ることができます。
とはいえ、生活者として住むとなると、話が変わります。
バスの本数が1時間に1本しかないこと。スーパーまで車で20分かかること。冬の道が凍結して、スタッドレスタイヤがないと身動きが取れなくなること。夏は虫が都市部とは比べ物にならないほど多いこと(ゴキブリとか、ゲジゲジとか、、量だけではなくサイズも大きいです)。観光のついでには気づけないことが、生活するうえでは重要な判断材料になります。
「移住してから気づいた」では遅いことが、地方にはたくさんあります。移住は引っ越しだけでなく、仕事も人間関係も生活環境もすべてが変わる大きな決断です。だからこそ、事前に「実際の生活」を体感しておくことが必要になります。
私が藤野の冬に「絶望」した話

私は夏に藤野を下見で訪れました。緑が豊かで、川がきれいで、人も温かくて、「ここに来たい」という気持ちが一気に固まりました。
ただ、、実際に着任して冬を迎えると——「こんなに寒いのか」と思いました。山間部の冬は、都市部とはまったく次元が違います。気温が低いだけでなく、日が陰るのが早いこと、路面が凍結すること、降雪があること。夏に来たときには想像もしていなかった景色がそこにありました。
大雪が降った日は、移動にも生活にも支障が出ました。「雪が積もる地域に住む」ということの現実を、体で理解するのに少し時間がかかりました。夏の下見だけで「ここはいい場所だ」と判断したことを、冬になって初めて後悔しました。
情報として「冬は寒い」「雪が降ることがある」とは知っていました。でも知識として知っていることと、実際にその環境で生活することは、まったく別の体験です。寒さ対策のための出費、暖房費の増加などなど——すべてを着任後に慌てて対応することになりました。
夏だけ訪問して決断したのは、正直、情報が足りなかったと思っています。
「普通の日」を過ごすことが大切
では、どうすればよかったか。
試し移住やワーケーションを活用して、複数の季節・複数の天候のもとで「普通の日」を過ごしてみることをおすすめします。
観光スポットではなく、スーパーやコンビニへの道を実際に走ってみる。休日の観光シーズンではなく、平日の昼間にその地域がどんな雰囲気かを確かめてみる。晴れた日だけでなく、雨の日や曇りの日にも訪れてみる。
地方の「普通の日」を体験することが、移住後の生活をリアルにイメージするための最大のヒントになります。観光客として来たときの感動と、生活者として毎日過ごすリアルは別物です。その両方を事前に知っておくことで、「知っていたけど選んだ」という状態で着任することができます。
訪問時に確認しておきたいこと
実際に下見に訪れるとき、意識して確認しておきたいポイントをいくつか挙げます。
生活インフラの確認
最寄りのスーパーやコンビニまでの所要時間と道の状態、バスや電車の本数と最終便の時間を実際に調べておきましょう。地図上の距離と、実際に走ったときの所要時間は、山道では大きく異なります。
通信環境の確認
山間部では携帯の電波が入りにくい場所があります。訪問中に自分のスマホで電波を確認しておくことと、光回線が引けるかどうかを回線業者に問い合わせておくことをおすすめします。リモートワーク継続を考えている方には特に重要です。ちなみに藤野では住宅では電波は入りますが、山に行くとまったくつながらなくなります、、。

冬の気候は必ず地域の人に聞く
「冬はどのくらい寒くなりますか?」「雪は積もりますか?」「道路の凍結はありますか?」この3つは、Webでは出てこないリアルな情報です。地域の方に直接聞くことで、生活に直結する情報が得られます。
平日の昼間に訪れる
土日の観光シーズンとは、地域の雰囲気がまったく違います。平日の昼間に訪れると、その地域の「普通の日常」が見えてきます。藤野だと土日は観光客の車で道路が込みます。一般道でも渋滞になるところもありますね。大きな道路沿いに住んでいる人だと、騒音の被害もありますよ。

「1回訪問したから大丈夫」ではなく、季節を変えて複数回訪れることができれば、さらに安心です。
まとめ:知ってから移住するのと、知らずに移住するのでは大違い
移住後の「こんなはずじゃなかった」は、事前の情報収集で大部分を防ぐことができます。
着任前に地域を訪れること、そして「観光の日」ではなく「普通の日」を体験すること。移住後の安心感をまったく変えます。
自分自身が夏の下見だけで判断して、冬に後悔した経験があるからこそ、これから移住を考えている方には「季節を変えて複数回行ってみてください」と強く伝えたいです。動く前に、まず自分の目で確かめること。それが後悔しない移住の第一歩だと思っています。
