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【BARBERコヤギ】が閉店した理由。

10年以上、夫の髪を切っていた。私は理容師ではないので、バリカンとアタッチメントが頼りだった。ハサミは、整えるときくらいで。


会社員だった夫の休日時間は、限られていた。
3週間に一度の散髪は、時間とお金の両方がかかる。床屋が混みすぎていて、時間を変えてまた出かけたこともあった。

「家で、髪切ってみる?」

私の口が滑ったのが始まりで、私は毎回、冷や汗をかいていた。
それでも続けた。回数を重ねるうちに、少しは上達するものだ。

私なりに腕が上がったと思えた頃、タダ働きが悔しくなり、夫に交渉した。カット代1000円をもらい、その日の昼ごはんは作らなくてもいいルールになった。

母との同居と介護が始まった頃、【BARBERコヤギ】は自然と閉店した。

その頃、私は待ち時間が少なそうな床屋を見つけて、夫に勧めた。仕事を離れた今は、平日に散髪へ行っている。たまには、ヘッドスパもしているようだ。

ほっとしているが、私の腕はすっかり落ちただろう。

あのバリカン、まだ使えるのかな。でも、もうやりたくはない。


🐐コヤギのつぶやき
あの頃は、床屋で順番を待つおじさんたちを見るたびに、「これくらいだったら、私にも切れそうだ」と、内心クスクスしていたのだ。




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コヤギ|静かに暮らす 「ふうっ」と一息つく時間に、お茶を一杯ごちそうする気持ちで。