「ケーススタディはしない。ケースをつくるのは俺たちだ!」— ウォークマンの父・大曽根幸三さんに学ぶ、新規事業のつくり方#264
前回のnoteでは、ソニー創業者・井深大さんの
「波に乗るのではなく、波そのものをつくりたい」
という言葉をご紹介しました。
今回は、まさにソニーらしさを表している言葉として、
もうひとつご紹介したいと思います。
元ソニー副社長でウォークマンの開発者でもある、
大曽根幸三さんの言葉です。
|忘れられないエピソード
大曽根さんは、私が1995年にソニーの記録メディア事業本部の商品企画
チームに異動になったときの副社長 兼 事業本部長でした。
そして私にとっては、企画という仕事で最も影響を受けた方のお一人でも
あります。
これからお伝えする話は、正直に言うとどこかで読んだのか、
誰かから聞いたのか、私自身も記憶が定かではありません。
webで探してみても同様の記事は見当たらず、
もし細部が少し違っていたら申し訳ないのですが、
それでも私の中にずっと残っている話です。
大曽根さんがMBAか何かの講義に招かれ、講演をされたときのこと。
MBAでは様々な企業の成功例や失敗例をケーススタディとして学ぶことが
よくあります。
講演後の質疑応答で、
「ソニーではどのようなケーススタディを参考にしているのか」
という質問が出たとき、大曽根さんはこう答えたといいます。
「ソニーはケーススタディなんてしない。だって、ケースをつくっているのは俺たちだから。」
これを聞いたとき、私は本当にソニーらしい言葉だなと思いました。
今でもこの一言は、私の中に強く残っています。
|「市場は探るな、創造せよ」
大曽根さんは、市場調査自体もしないという主義の方でした。
大曽根語録には、
「市場は探るな、創造せよ」
という言葉も残っています。
新規事業を考えるとき、
私たちはつい「成功事例」や「市場データ」を探そうとします。
けれど、本当に新しいものを生み出した人たちは、
実はその逆をやっていたんですね。
|昔の言葉が、今の私にも響く理由
前回の井深さんの言葉も、今回の大曽根さんの言葉も、
かなり昔の言葉です。
それでも、変化の速い現在にこそ通じるものがあると、私は感じています。
他社の成功例を分析して真似るのではなく、
自分たちが前例のない事例そのものになる。
この発想の転換こそが、ソニーらしさの核心にあるのかもしれません。
ソニーが今もなお元気でいられるのは、もしかしたらこういう文化が
どこかに息づいているからかもしれませんね。
・波に乗りたいとは思わない、波そのものをつくりたい
・ケーススタディはしない、だってケースをつくってるのは俺たちだから
・市場は探るな、創造せよ
・トレンドは読むな、トレンドはつくるもの
新規事業開発に携わる者として、
私はこの精神を忘れないようにしたいと思っています。
|私自身がつくろうとしているトレンド
私自身も、新規事業開発や商品開発チームをチームコーチングで支援する「プロジェクトチームコーチング」というトレンドを、
自分自身の手でつくっていこうと奮闘しています。
どんな小さな分野であっても、
自分たちが最先端をいっている分野は必ずあるはずです。
トレンドは、ぜひ自分たちの手でつくっていきましょう。
|おわりに
大曽根さんの言葉は、私が企画という仕事に向き合う中で、ずっと支えになってきた言葉のひとつです。
市場を探すのではなく、自分たちで市場をつくる。
前例のないことを不安に思うのではなく、前例をつくる側に回る。
そんな姿勢を、これからも自分の仕事の中で持ち続けたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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