【はじめてのnote】昼の東京から転げ落ちた48歳の男が、夜の街を歩き始めた理由
気がつくと、夜の東京に立っていた。
あの頃の私は、昼の東京を歩いていた。
いや、駆け抜けていたのかもしれない。
以前の私は、歩くのが速かった。
今は、ゆっくり歩く。
意識しているわけではない。自然とそうなった。
ゆっくり歩くから見えるのか
見えるからゆっくりになるのか
夜の東京は、思ったより広い。
まだ気づけていない景色や人がいる。
昼の時間帯では、それなりの役を演じていた。
肩書きもあったし、守るべきものもあった。
一つ歯車が止まれば崩れるような、危ういバランスの上に立っていた。
都合の悪いことは、見て見ぬふりをした。
小さな嘘と勢いで、なんとか前に進んでいるつもりだった。
気がつけば、坂の下から世の中を見上げる側に立っていた。
背負うものは、いつの間にか何もなくなった。
夜、アコーディオンを弾きながら歩いている女性がいた。
通り過ぎる人は、足を止めない。
それでも彼女は、同じ調子で弾き続けていた。
自分のBGMのように。
片手には缶チューハイ。
ポケットには電子たばこ。
それなりの借りはあるが、こうして夜にいる。
まだ帰る気にはなれない。
その途中で見たことを、少しだけ書いてみようと思う。
だから、今夜も歩く。
