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#18 選ぶ事も出来ず、選ばれる事もない。同じ棚の前で、動けなくなる夜

連載:「今夜も歩く」第17回

相変わらず、夜のコンビニに寄る。
街灯に惹きつけられる虫のように。

店内は静かで、
過ごしやすい気圧に仕上がっている。

棚の前に、
ひとりの女性が立っていた。

青いワンピース、
水色のバッグ、
ただ背中からタグを揺らしている。

じっと、同じ棚を見ている。

手に取ることもなく、
かといって離れることもない。

視線だけが、
商品と値札の間を往復している。

値段なのか、
必要かどうか、
眉間にシワを寄せて悩んでいる。

ただ、
その場に留まる時間だけが、
少し長い。

昼のコンビニは、
迷う場所ではない。

欲しいものを手に取り、
すぐに出ていく場所だ。

それでも彼女は、
同じ棚の前に立ち続けていた。

選ばないまま、
時間だけが進んでいく。

夜のコンビニは、
選ぶ事も出来ず、選ばれる事もない。

缶チューハイを棚から取り出し会計を済ませる。
選んだのか選ばれたのか、
店を出て缶を開ける音だけが響く。

あえてまだ口はつけずに、
私はまた歩き出した。

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