#39 同じ交差点、揃わない夜
連載:「今夜も歩く」第39回
郊外の商店街。
こちらの方が落ち着く。
同じ時間でも、
気圧が少しだけ違う。
急ぐ理由のない歩き方が多い。
店先の明かりも、
どこか柔らかい。
シャッターの下りた店と、
まだ開いている店が混ざっている。
その間を、
同じ速度で人が流れている。
立ち止まっていても、
不自然に見えない。
商店街の端まで歩くと、
交差点に三人の女がいる。
一人は、
スマホでなにかを探している。
一人は、
その画面を覗き込んでいる。
もう一人は、
段差を上り下りしている。
話の中心は、
スマホの中にある。
しばらくして、
画面を見ていた二人が笑う。
少し遅れて、
段差の女がなにか言う。
もう一度、
二人が笑う。
三人でいる。
それぞれ別のことをしている。
信号が変わり、
それぞれの歩き方で渡っていく。
追いつくわけでもなく、
離れるわけでもない距離を保っている。
また誰かがスマホを取り出し、
立ち止まる。
残りの二人は、
その少し前で止まる。
段差の代わりに、
縁石をつま先でなぞっている。
一緒にいることは続いている。
人の流れが、
少しだけ動き出す。
その中に紛れて、
歩き出す。
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