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水たまりの記憶|シロクマ文芸部


水たまりを飛び越える記憶──


「これは跳べる」

大きな大きな水たまり

こんな大きいのは見たことない

わたしの体よりずいぶん大きい

わたしには跳べる

ふふん。

泥と水の境を

余裕の笑みでにらんだ

とってもちいさな弟がそばで

だまってこっちを見上げている

見ていなさい。

前傾姿勢で肘をひき

じりっじりっと後ずさり

自分の間合いをはかっている

ここだ! ふんっ!

突然のスタートに

お気に入りの赤いスカートが

ひらりとはずむ

とべる とべる とべる!

走れ! 走れ! 走れ!

息をはずませ一直線に

みるみる水たまりが大きくなる

そのすれすれに

つま先を置いて

はっ!

そのままジャンプ!

ずざざっ

ふぅ……。

スカートの裾が

水面に着きそうで

いっしゅんドキッとしたけれど

こんな大きな水たまりが

もうわたしの後ろにある









▫️こちらの先頭に1行加えたもので
 企画参加しております


▫️お題:「水たまり」からはじまるnote



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