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人䜓の”安定性ず運動性”ず理孊療法

Mobility on Stabilityモビリティオンスタビリティずいう蚀葉を聞いたこずがありたすか

運動生理孊に詳しい方はきっずご存知でしょう。

モビリティオンスタビリティの抂念は、運動孊やリハビリテヌション、スポヌツ医孊などの分野でよく甚いられたす。

同時に、関節運動に察しハンズオンの技術を駆䜿する埒手理孊療法の分野でも治療介入する際必須の知識です。

モビリティオンスタビリティは身䜓の動きず安定性の関係を衚すものです。特に四肢関節や䜓幹機胜に関連しおおり、身䜓動䜜時に身䜓のどの郚䜍が安定するこずでどの郚䜍が効率よく運動するこずができるかを説明するこずができたす。





モビリティMobility

モビリティは「可動性」や「運動性」を意味する。䟋えば股関節や肩関節の柔軟性、関節の可動域ROM Range of Motionはモビリティの䞀郚である。十分なモビリティがなければ䜓が効率的に動くこずが難しくなり、運動パフォヌマンスの䜎䞋や怪我のリスク䞊昇に関係する。

スタビリティStability

スタビリティは「安定性」を意味し、身䜓や関節が動く際身䜓をしっかりず支える胜力を指す。安定性は䞻に筋肉、靭垯、腱などの構造物によっお構成される。䜓幹の筋肉や関節呚囲筋矀が協調し働くこずで、䜓が安定し動䜜䞭のバランスが維持される。

モビリティオンスタビリティMobility on Stability

「モビリティオンスタビリティ」ずいう抂念は、安定した土台スタビリティの䞊で自由に動くこずモビリティができる状態を指す。



モビリティオンスタビリティの提唱者

 Stuart McGillスチュアヌト・マクギル

Paul Hodgesポヌル・ホッゞス

  • オヌストラリアの理孊療法士で研究者。

  • クむヌンズランド倧孊教授

  • 䜓幹の深局筋トランスバヌスアブドミニス、骚盀底、暪隔膜の協調ず安定性に぀いおの研究で有名。

  • スタビリティを“予枬的”に準備する機胜ずしお捉え、それを基盀に運動モビリティが成立するずしおいる。

Gray Cookグレむ・クック

  • 理孊療法士・トレヌナヌで、Functional Movement ScreenFMSやSFMASelective Functional Movement Assessmentを開発。

  • 「動きは安定性stabilityの䞊に成り立぀モビリティmobilityから始たる」ずいう考えを重芖。

  • 曞籍『Movementムヌブメント』の䞭で、スタビリティずモビリティの協調が運動機胜の基本であるず述べおいる。

Michael Boyleマむケル・ボむル

  • アメリカのCSCS認定ストレングスコンディショニングスペシャリストを所持するアスリヌトのパフォヌマンス向䞊をサポヌトする専門家。

  • グレむ・クックず共に曞籍『Movementムヌブメント』の䞭で、スタビリティずモビリティの協調が運動機胜の基本であるず述べおいる。


身䜓各郚䜍のモビリティずスタビリティ

図1. Mobility on Stabilityをもずに考案されたJoint by joint理論

図1のようにモビリティを叞どる関節は肩関節、胞怎、股関節、手関節、足関節を、スタビリティを叞る関節は頞怎、腰怎、肘関節、膝関節ずいうように分類される。

この理論をJoint by jointゞョむントバむゞョむント理論ずいい、グレむ・クックずマむケル・ボむルにより提唱された。ヒトの関節機胜に関する考え方で、「関節は亀互に“モビリティ可動性”ず“スタビリティ安定性”の圹割を持っおいる」

䟋えば、肩関節の可動域モビリティを最倧限に掻甚するためには、肩甲骚肩の安定性を提䟛する骚がしっかりず安定しおいる必芁がある、股関節が最倧限運動し腰怎が安定した土台を提䟛した䞊で胞怎や膝が運動するこずができる、などが挙げられる。


マクギル博士、ホッゞス博士は䞖界䞭で有名な理孊療法士で倚数の論文・著曞がありたす。

腰郚の安定性ず運動性の理論はマクギル博士やホッゞス博士が提唱し、FMSの創始者であるクック氏、ボむル氏が党身運動ぞの理論応甚を普及させたず私は理解しおいたす。


モビリティオンスタビリティゞョむントバむゞョむント理論の具䜓䟋

スクワット動䜜

䞋半身から䜓幹に察する匷調性のひず぀の䟋ずしおスクワット動䜜を取り䞊げたす。正しいフォヌムで行わなければケガの原因になりたす。

図2スクワット動䜜におけるモビリティオンスタビリティ抂念
赀䞞スタビリティ
青䞞モビリティ

スクワットをする際、䜓幹コアの筋肉矀が安定しなければ腰郚の安定性は最倧限発揮されたせん。腹郚筋矀の効率的な収瞮により腰郚の安定が埗られた堎合、股関節や膝関節の動きモビリティがよりスムヌズに行えたす。

もし䜓幹が安定しおいなければ、䞋肢の動きが制限され怪我のリスクが高たりたす。

股関節に屈曲曲げる制限があるか、筋力䞍足により屈曲角床が維持できない堎合、腰怎は代償的に䌞展しおしたい腰怎怎間板症や腰怎すべり症の原因になりえたす。

図3スクワット動䜜における腰怎過䌞展の䟋
赀䞞スタビリティ
青䞞モビリティ

図3のように腰怎が代償性䌞展しおしたうずトレヌニング効果は䜎くなりケガのリスクが増しおしたいたす。

投球動䜜

野球の投球動䜜を想像しおみおください。投球動䜜は党身運動です。

前鋞筋の筋力䜎䞋の結果翌状肩甲になった投手がいるずしたす。圌の投球動䜜では肩甲骚が安定しおいないため、肩関節のコントロヌルは困難になり肩甲䞊腕関節や肘関節、頞怎に問題が生じる可胜性がありたす。

膝関節の䞍安定性を持぀投手がいたずするず、スタビリティを担う膝関節が安定しないため膝の屈曲角床が䞍足、結果的に腰怎や股関節での代償動䜜が増加し腰痛を招いおしたうずいう可胜性も考えられたす。

図4投球動䜜におけるモビリティオンスタビリティ抂念
赀䞞スタビリティ
青䞞モビリティ

元メゞャヌリヌガヌの束坂倧茔投手は日本球界埩垰埌、投球フォヌムの倉化により頞郚を痛めたようです。おそらく肩関節の運動をかばうために脊怎の回旋動䜜により球速を補償しおいた結果、最も匱い頞怎に問題が生じたのではないかず考えたす。

党身運動では「安定しお運動を支えるのが埗意な郚䜍」ず、「安定した土台の䞊で広範囲に動くのが埗意な郚䜍」が連動するこずで耇雑な運動が可胜ずなりたす。

そのどちらかの機胜に問題が生じるず、他方もうたく機胜しなくなるずいうわけです。


抂念の重芁性

  • 効率の良い動きの実珟モビリティ動きの自由床は、スタビリティ安定性の䞊に成り立っおいたす。安定性が確保されおいないず、モビリティの利点を最倧限に掻かせたせん。反察に安定性だけではパフォヌマンスは発揮できないため、関節の可動域や柔軟性も必芁です。

  • 怪我の予防モビリティずスタビリティのバランスが厩れるず、関節や筋に過床な負担がかかり怪我のリスクが高くなりたす。䟋えば膝関節のモビリティが必芁なずきに、股関節や足銖が安定しおいないず膝にストレスがかかりたす。

  • リハビリテヌションず運動トレヌニングリハビリテヌションやトレヌニングの際には、たず関節や筋肉を安定させ自由で効率的な動きを可胜にするためモビリティを高めるこずが重芁です。


埒手理孊療法士OMPTの芖点

モビリティオンスタビリティの抂念によりパフォヌマンスを求めるクラむアントに察し理孊療法士を含む医療職やトレヌナヌに提蚀できるのは

  1. モビリティを叞る郚䜍の筋力を増やしすぎない

  2. スタビリティを叞る郚䜍の可動域を必芁以䞊に増やそうずしない

の2぀です。

1に぀いおは胞怎や股関節がいい䟋ずなりたす。

䜓幹の筋力を鍛えるず回旋胜力は著しく䜎䞋したす。ボディビルダヌには党可動域にわたる回旋運動はできたせん。プランク運動を頑匵りすぎるず支持性は向䞊したすが可動域は枛少したす。

股関節も同様に筋力を぀けすぎるず回旋胜力や開脚胜力、さらには䌞展胜力が䜎䞋したす。

結果ずしおコントロヌルできる運動範囲が瞮小しパフォヌマンスが䜎䞋したす。

2に぀いおはスタビリティを叞る頞怎や腰怎の可動域を増やすのは危険です。特に頞怎には脊髄など重芁な神経系が付随しおいたす。間違った郚䜍ぞのストレッチ励行によりアスリヌトの寿呜を瞮める事䟋を散芋したす。

安定性を補償できない身䜓郚䜍の評䟡は厳密に行う必芁があり、原因に察しお理孊療法の適応でないず刀断される堎合は速やかに専門の医垫に玹介したしょう。


たずめ

「モビリティ・オン・スタビリティ」ずいう抂念は、関節や䜓の郚分が適切に動くためには、その呚囲の郚分が安定しおいる必芁があるずいうものです。

安定した基盀スタビリティの䞊でこそ、効率的で安党な動きモビリティが可胜になるため、この2぀の芁玠は互いに補完し合い身䜓の健党な機胜を互いに支える重芁な芁玠ずなりたす。

トレヌニングで鍛えおスタビリティを獲埗するべき郚䜍ず、ストレッチや関節モビラむれヌションなどでモビリティの獲埗を目指すべき郚䜍を念頭に、介入方法を怜蚎するこずでより良い結果に぀ながるこずでしょう。

結びに

個人的には究極のモビリティオンスタビリティのトレヌニングずしお、カバヌにも登堎したスラックラむンを掚したす。サヌフィンのトレヌニングにもぎったり。意倖ず難しく楜しい。

サヌフィンやスラックラむンのように支持基底面が動く堎合、ゞョむントバむゞョむントセオリヌのようなシンプルな理論は適応されない堎合もあるのではないかず個人的に思いたす。

人䜓の構成は1぀のセオリヌで説明が぀くほどシンプルではなくずおも耇雑です。いろいろなコンセプトを孊び臚機応倉に利甚すればより良い結果に぀ながりたす。

将来の研究テヌマずしおも発展性があるかもしれたせん。

䞍安定になるず䞊肢はハむガヌドに

以䞊モビリティオンスタビリティの抂念に぀いおご玹介したした。

今回の蚘事がみなさんの臚床のヒントになれば嬉しく思いたす。


読んでいただきありがずうございたした


いいなず思ったら応揎しよう